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「道心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

道心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
妄想を打ち消そうとあせったが、それもこれも無駄であった。あせればあせるほど、彼の道心《どうしん》をとろかすような強い強い業火《ごうか》は胸いっぱいに燃え拡がって....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
くど》して、了海《りょうかい》と法名を呼ばれ、ひたすら仏道修行に肝胆を砕いたが、道心勇猛のために、わずか半年に足らぬ修行に、行業《ぎょうごう》は氷霜《ひょうそう....
仇討三態」より 著者:菊池寛
と残っている。 「おのれ!」 彼は、口元まで、そんな言葉が出かかった。が、彼の道心は勝った。彼は一瞬の間、老僧を見つめると、踵を翻して自分の薪束の所へ帰った。....
朱日記」より 著者:泉鏡花
大分|少いが、仔細も無かろう、けれども発心をしたように頭髪をすっぺりと剃附けた青道心の、いつも莞爾々々した滑稽けた男で、やっぱり学校に居る、もう一人の小使である....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
と、僧は答えた。 劉はいよいよ戯れるように言った。 「それでは、ここであなたの道心を試みて、いよいよ諸人の信仰を高めさせて見たいものです」 そこで美しい遊女....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
す。御承知の通り、本所は堀割の多いところですから、堀と云ったばかりでは高野山で今道心をたずねるようなもので、なか/\知れそうもありません。元来この置いてけ堀とい....
ドレフュー大疑獄とエミール・ゾーラ」より 著者:幸徳秋水
為すを得ざるの事也。ドレフュー事件の際に於ける仏国軍人の盲従は、未だ以って彼等の道心欠乏を証するに足らずと。果して然る乎。....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
らしたのは――実は、あの、一度内へ帰ってね。……この剃刀で、貴方を、そりたての今道心にして、一緒に寝ようと思ったのよ。――あのね、実はね、今夜あたり紀州のあの坊....
連環記」より 著者:幸田露伴
極楽に志す有り、往生を願う有る者は、結縁せざる莫し、と云って居るから、四十以後、道心日に募りて已み難く、しかも未だ官を辞さぬ頃、自他の信念勧進のために、往生事実....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
で、私はまず挨拶をいたしたでございます。 主もおわさば聞し召せ、かくの通りの青道心。何を頼みに得脱成仏の回向いたそう。何を力に、退散の呪詛を申そう。御姿を見せ....
道成寺(一幕劇)」より 著者:郡虎彦
は今のうちにおりて行きとうございます。(顧みつつ言う) 妙信 うら若い身に殊勝な道心だが、どのようなところに行きとうても、もうこの山へ一度上った者は、それきりで....
二十一」より 著者:坂口安吾
はボートとラグビーとバスケットボールの外には余念がなく、俗事を念頭に置かぬこと青道心の僕以上で、引越すと、その日の晩には床の間の床板に遠慮もなく馬蹄のようなもの....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
介になったものと見える。 淡島堂のお堂守となったはこれから数年後であるが、一夜道心の俄坊主が殊勝な顔をして、ムニャムニャとお経を誦んでお蝋を上げたは山門に住ん....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
占む。 ○九月、歌舞伎座にて沢村訥升は七代目沢村宗十郎を襲名し、「高野山」の苅萱道心を勤む。 ○十月五日、本所の寿座より出火して全焼。 ○十二月一日、麹町区有楽....
旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
子であるところの日蓮の「善無畏三蔵鈔」にも、 は、還つて罪浅き者なるべし。当世の道心者が後世を願ふとも、法華経釈迦仏をば打捨てて、阿弥陀仏念仏なんどを念々に不捨....