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道義心
「道義心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
道義心の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
聴かずにずんずん行くが、娘は附いて来る。おじは通物《とおりもの》である。通物とは
道義心の lax なる人物ということと見える。息子が情人を連れて来たものと速断す....
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
共あらわさなくては文芸の二字を冠らする資格がないと評します。またある人はどこかで
道義心に満足を与えない作物は、作りたくない読みたくないと断言します。また他の人は....
「文芸と道徳」より 著者:夏目漱石
現できるにしてもこれを未来に待たなければならない訳であるから、書いてある事自身は
道義心の飽満悦楽を買うに十分であるとするも、その実|己《おのれ》には切実の感を与....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
悪を想像して要もないのに恐れを抱《いだ》くほどの道徳家でもなかった。彼は世間並な
道義心の所有者としてありふれた人間の一人《いちにん》であったけれども、その
道義心....
「明暗」より 著者:夏目漱石
るまいとも考えた。
彼は気の毒になった。同時に逃げる余地は彼にまだ残っていた。
道義心と利害心が高低《こうてい》を描いて彼の心を上下《うえした》へ動かした。する....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
」云々《うんぬん》。意志の弱い男ではあったが、尚、此の島の貴族にふさわしい一片の
道義心を失ってはいなかったラウペパは、直ぐに自己犠牲を覚悟した。其の夜の中に彼は....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
すことができないということ。一般的な才能や世間的な知恵はとにかく、少なくとも彼の
道義心は自分よりもずっと鋭かったということ。また、自分があの当時はただあまりに心....
「『土』に就て」より 著者:夏目漱石
っこない天気と同じ苦痛である。ただ土の下へ心が沈む丈《だけ》で、人情から云っても
道義心から云っても、殆《ほと》んど此圧迫の賠償《ばいしょう》として何物も与えられ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
弟の忠言に従うべきか、いずれが是、いずれが非かわからないうちに、なにものかの強い
道義心に打たれて感動する。しばらく、判断も利害も離れて、ただ感動に堪えられないで....
「微笑」より 著者:豊島与志雄
青年」とでも思って、「現行犯」を捕えて懲戒してやろうと思ってるのだ。そして余計な
道義心と金と男とを使ってるのだ。 この考えは私達の気に入った。なぜならそういう....
「郷愁」より 著者:織田作之助
はほとんど変らない。いわば世相の語り方に公式が出来ているのだ。敗戦、戦災、失業、
道義心の頽廃、軍閥の横暴、政治の無能。すべて当然のことであり、誰が考えても食糧の....
「馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
えましょうが、それはそれとして置いて、馬琴の大手腕大精力と、それから強烈な自己の
道義心と混淆化合してしまった芸術上の意見、即ち勧善懲悪という事を主義にして数十年....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
あなたは生まれてからまだ一度も嘘をいったことがない。あなたは、この世で最も堅実で
道義心の強いどの男性よりも、もっと堅実で道徳的です。実に稀な手ですね。……それか....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
神に見覚め全体主義のために如何に弱者をいたわることの重大なるかを痛感する新鮮なる
道義心に依らねばならぬ。東亜連盟結成の根本は民族問題にあり。民族協和は人を尊敬し....