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達者
「達者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
達者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
では、お前さんも、ゆっくり昼寝でもする事だよ。」
猪熊《いのくま》のばばは、口
達者に答えながら、杖《つえ》をひいて、歩きだした。綾小路《あやのこうじ》を東へ、....
「河童」より 著者:芥川竜之介
にちょっと頭を下げた上、丁寧《ていねい》にこう話しかけました。
「長老、御《ご》
達者なのは何よりもです。」
相手の河童もお時宜《じぎ》をした後《のち》、やはり....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
話題にした。
「千枝子さんも健在《たっしゃ》だろうね。」
「ああ、この頃はずっと
達者のようだ。あいつも東京にいる時分は、随分《ずいぶん》神経衰弱もひどかったのだ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
れ。」
「そんなに悪いの?」
洋一は思わず大きな声を出した。
「まあ、ふだんが
達者だから、急にどうと云う事もあるまいがね、――慎太郎へだけ知らせた方が――」
....
「路上」より 著者:芥川竜之介
大井はやっと納得《なっとく》した。が、卓子《テエブル》を離れるとなると、彼は口が
達者なのとは反対に、頗《すこぶ》る足元が蹣跚《まんさん》としていた。
「好いか。....
「死後」より 著者:芥川竜之介
度遠慮勝ちに言った。
「うん、長いものを少し書きかけていた。」
「細君は?」
「
達者だ。子供もこの頃は病気をしない。」
「そりゃまあ何よりだね。僕なんぞもいつ死....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
しみが薄らいだ時、まず女の心に浮んだのは、捨てた長男に会う事です。「もしあの子が
達者だったら、どんなに苦しい事があっても、手もとへ引き取って養育したい。」――そ....
「星座」より 著者:有島武郎
、あなた『婆やきつい世話』……ではのうて『婆やいろいろに世話をかけてありがとう。
達者でいてくれや、東京に行ったら甘いものを送るぞよ』……」
婆やは西山さんの口....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、あとの戸を閉めながら、 「お珍らしいこと。」 「…………。」 「蔦吉姉さんはお
達者?」と小さな声。 主税はヒヤリとして、ついに無い、ものをも言わず、恐れた顔....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
ました。」 「お前の家はどこにあるのか?」 「平坂下であります。」 「お前の親は
達者でいるか?」 「いえ、家内と二人暮らしであります。」 「子供はないのか?」 ....
「海異記」より 著者:泉鏡花
さしつけえ、此家の兄哥が、奴、汝漕げ、といわしったから、何の気もつかねえで、船で
達者なのは、おらばかりだ、おっとまかせ。」と、奴は顱巻の輪を大きく腕いっぱいに占....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
向の饌でない。 ついこの間の事――一大書店の支配人が見えた。関東名代の、強弓の
達者で、しかも苦労人だと聞いたが違いない。……話の中に、田舎から十四で上京した時....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
べた台の、陰に入って踞んで居た、此方の嫗が顔を出して、 「主か。やれもやれも、お
達者でござるわや。」 と、ぬいと起つと、その紅糸の目が動く。 十....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
に色づけられているような心もちがする。描写は殆谷崎潤一郎氏の大幅な所を思わせる程
達者だ。何でも平押しにぐいぐい押しつけて行く所がある。尤もその押して行く力が、ま....
「活人形」より 著者:泉鏡花
出任せ吹き立つるに、得右衛門はあてられて、「豪気々々、その口で歩行いたら足よりは
達者なものだ。さあ行こうかい。といえばどんじりの季武が、「ところが、幽霊は大|嫌....