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「違算〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

違算の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
無名作家の日記」より 著者:菊池寛
って、銅や鉛であったことに気がつくと、もうおしまいだ。天分の誤算は、やがて一生の違算となって、一度しか暮されない人生を、まざまざと棒に振ってしまうのだ。昔から今....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
浪子を離別せるなり。武男が憤りの意外にはげしかりしを見るに及んで、母は初めてわが違算を悟り、同時にいわゆる母なるものの決して絶対的権力をその子の上に有するものに....
からすうりの花と蛾」より 著者:寺田寅彦
備ができていたのであるが、途中から人間という不都合な物が飛び出して来たために時々違算を生じる。人間が燈火を発明したためにこれに化かされて蛾の生命が脅かされるよう....
案内者」より 著者:寺田寅彦
の人々にとって最も安全な方法であって、こうすればめったに大きな失望やとんでもない違算を生ずる心配が少ない。そうして主要な名所旧跡をうっかり見落とす気づかいもない....
月世界探険記」より 著者:海野十三
六角隊長と私とをこの土地に残して、空に飛びだした第一の宇宙艇だ」 恐ろしき違算 「あらマア、不思議なことネ」 「全く貴女がたの場合と同じような事件だったの....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
。もし之によって日本の人民戦線の動きの批判になるとでも思うならば、それは可なりの違算なのだ。なぜというに、日本にはそれこそ日本に固有な特殊事情があって、それが日....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
り私の方へ廻って参りますかな……左様なら何卒確とお受取りを願います」 成「金額に違算もあるまいがお前受取るが宜い、早く勘定をしなさい、面倒でも十円札だから造作も....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
も気になるね。あとの一パアセントはいったい何だい?』 『それは何かの故障・錯誤・違算――きっと今までの飛行術の知らなかった、ぜんぜん新しい、ほんの針のさきみたい....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。そしてそこに例の不運の一つの兆《しるし》を見てとったのである。もし運命が彼らの違算の責を帯びるものとするならば、理論上クリストフには責任がないはずだった。しか....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
に似ていた。それらのことはみな正しいことだったか。正しいことだったのか? 多くの違算や苦しみ、絶えざる困窮、朝から晩まで彼をとらえて放さぬ職務、一時間の黙想をも....
烏瓜の花と蛾」より 著者:寺田寅彦
備が出来ていたのであるが、途中から人間という不都合な物が飛び出して来たために時々違算を生じる。人間が燈火を発明したためにこれに化かされて蛾の生命が脅かされるよう....
戦争と気象学」より 著者:寺田寅彦
の行動を掩蔽するために煤煙の障屏を使用しようとしたのが肝心の時に風が変って非常の違算を来たしたという事である。これらの場合に充分な気象観測の材料が備わっていて優....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
るのはたいていの場合あたりまえとせねばならない。従って最初の楽観は間違いで、この違算から新店は必ず失敗となる。 私の知人に外国貿易をしている者がある。収支よう....
迷信解」より 著者:井上円了
かに一円なり。一円の利を得るに、なんぞ神を煩わすに足らんや。これ必ず失言もしくは違算ならんとてその者に注意したれば、当人曰く、『これ違算にあらず、失言にあらず。....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
というは欺くべからざる確実の数理であっても、科学者が天体を観測するに方って毫釐の違算がしばしば何千万億の錯誤を来すと同様に、眼前の研究にもまた同じ誤算がないとは....