遠乗り[語句情報] » 遠乗り

「遠乗り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遠乗りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
武蔵野」より 著者:国木田独歩
落葉を蹶散《けち》らす音、これは騎兵演習の斥候《せっこう》か、さなくば夫婦連れで遠乗りに出かけた外国人である。何事をか声高《こわだか》に話しながらゆく村の者のだ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しては誠に結構な道楽で、広い屋敷内に馬場をこしらえて毎日乗りまわし、時には方々へ遠乗りに出る。厩には三匹の馬を飼って、二人の馬丁を置いていました。そのなかでも平....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
かった。ちょうど日曜日で久々に訪ねてくれた水産試験所の東屋三郎氏は、折角計画した遠乗りのコースをこのような海岸に変更されて最初のうち少からず鬱いでいたのだが、け....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の見|櫓の上には鳶が眠ったように止まっていた。少し汗ばんでいる馬を急がせてゆく、遠乗りらしい若侍の陣笠のひさしにも、もう夏らしい光りがきらきらと光っていた。 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れて、初めて小金井へ遠出を試みたと云う訳です。武家ならば陣笠でもかぶって、馬上の遠乗りというところですが、われわれ町人はそうは行かない。脚絆をはいて、草履を穿い....
田舎教師」より 著者:田山花袋
た。 「先生、このごろは非常に熱心だよ。君も知ってるだろうが、自転車を買ってね、遠乗りをするんだとかなんとか言って、毎日のように出かけて行くよ。東京から来た小蝶....
字で書いた漫画」より 著者:谷譲次
人。午後のお茶と社交界の接見日とカントリイ倶楽部と「ヨーロッパの貴族」との自動車遠乗りとによって、もう今年じゅう一日のあきもなく日程ができあがっている。頭髪の色....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
興じようとする者、向島へ渡るものは枯草の情趣を味うとか、草木を愛して見ようとか、遠乗りに行楽しようとか、いずれもただ物見遊山するもののみであった。 ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
が、東京から三、四日の予定で遊びに来ると、夫人はその青年と乗馬で、鬼押出しの方へ遠乗りに出かけてしまった。出がけに、ちょっと病室へ顔を出し、そこに新子がいるのを....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
キッティ・マンネリングのご機嫌とり、わたしの希望、疑惑、恐怖、キッティと二人での遠乗り、身をおののかせながらの恋の告白、彼女の返事、それから時どきに黒と白の法被....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
、しびれたようになっている。 人だかりにまじって、この一部始終を見ていたのが、遠乗りのついでに祭礼を見物にきた家老の柳田源左である。舌をまいて、驚いた。若党を....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
」 庄屋が大そう苦心しているところへ、ちょうどいいアンバイに、たそがれたころ、遠乗りの家老が山道に行きなやみ、一人の侍をしたがえて庄屋のところへ辿りついた。 ....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
もう、ふるえるには及ばぬ。さても驚き入ったる手の中」 と声をかけて現れたのは、遠乗りに来かかって一部始終を見とどけた家老であった。 石川淳八郎の代稽古、米屋....
電報」より 著者:織田作之助
って来た。この町で自転車に乗れるたった一人の娘である一枝の自転車のうしろに乗って遠乗りに行っていたのだと判ると、照井は毛虫を噛んだような顔で、 「女だてらに自転....
はつ恋」より 著者:神西清
わたしには一頭の乗馬があった。わたしはそれに自分で鞍をおいて、ただ一人どこか遠乗りに出かけたものだった。馬をギャロップで走らせて、さも自分をトーナメントに出....