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「遠因〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遠因の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
若杉裁判長」より 著者:菊池寛
ってみようかという考えが、若杉さんの心に浮びました。 若杉さんが、法科を選んだ遠因は、おそらくそこにあるのでしょう。が、直接の原因は、自分の尊敬する森田君が、....
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
に及び、これが近世しばしば起こる百姓乱や虚無党や自殺|倶楽部《クラブ》の有力なる遠因となれり。盛邦、近年神道を興すとて瑣末な柏手《かしわで》の打ち様や歩き振りを....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
路頭に迷う結果はのたれ死にをしなければならない。換言すると免職は主人にとって死の遠因になるのである。主人は好んで病気をして喜こんでいるけれど、死ぬのは大嫌《だい....
厳島合戦」より 著者:菊池寛
陶晴賢が主君大内義隆を殺した遠因は、義隆が相良遠江守武任を寵遇したからである。相良は筑前の人間で義隆に仕えた....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
の各鎮台兵に出動を命じた。而して自ら戦略を決定したが、この山県の戦略が官軍勝利の遠因を為したと云ってよい。山県は薩軍の戦略を想定して、 一、汽船にて直ちに東京或....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
る学校との分裂が始まるのだ。少し考えて見ると、これが今日の入学試験地獄の根本的な遠因であることが判る。 「良い」学校というのは世間で往々考えるように教師と施設と....
あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
》いた。「それにしても、おれは浅薄にも溜息とともに大学を止《よ》した。一たいその遠因は何に拠ったのであるか。それは思い出さなければならないほど遠い昔のことであろ....
途上の犯人」より 著者:浜尾四郎
ら、直接のヒントは流行性感冒から得たと称している。けれど彼のいう所に従えば、その遠因は私のつまらぬ小説にあるらしい。 私は、彼の話の真実性と、正気の程度を試み....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
こうした認識の欠乏は、殆んど凡て、夫が表現報道現象だという点に対する注意の不足に遠因を持つと云ってもいいだろう。――処で表現し報道すると云うが、表現するに際して....
社会時評」より 著者:戸坂潤
る学校との分裂が始まるのだ。少し考えて見ると、これが今日の入学試験地獄の根本的な遠因であることが判る。 「良い」学校というのは世間で往々考えるように教師と施設と....
生前身後の事」より 著者:中里介山
出版界の不振の為で、その出版界の不振というのも遡《さかのぼ》れば円本時代の全盛が遠因を孕《はら》んでいると見られないことはない、小生としては春秋社が振わなくなっ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
朝倉先生とのつながりにその原因があり、もとをただせば、やはり里子ということにその遠因があると思うからである。 道江の問題を考えて見てもやはり同様である。ぼくが....
山の声」より 著者:宮城道雄
私が失明をするに至った遠因ともいうべきものは、私が生れて二百日程たってから、少し目が悪かったことである....
私の洋画経歴」より 著者:小野佐世男
の姿体美を画きつくすのに浮身をやつしている自分にはこのセンネット・ガールが大なる遠因をなしているのであろう。 この美しいセンネット・ガールの中からは、マリー・....
政事と教育と分離すべし」より 著者:福沢諭吉
・鉄剤の類これに適当すべきなれども、目下まさに劇痛を発したる場合にのぞみてはその遠因を求めてこれを問うにいとまあらず、すなわち「モルヒネ」の要用なるゆえんなり。....