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「遠心力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遠心力の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
「これでお前が細君も貰わずにいるなんてこともいくらか節ちゃんの方に響いているテ。遠心力のようなもので、遠廻しに引いている気味があるテ。節ちゃんもあれで一度はお嫁....
語られざる哲学」より 著者:三木清
もないはずである。私の情意の直観的な識別力と広袤《こうぼう》を求める私の知識慾の遠心力とが、ともすれば新しきもの奇らしきもの病的なるものと親しもうとする私の性格....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
すなわち、彗星である。これよりも質量が小さくまた速度の小さいもののうちで、同様な遠心力を有するものが一群となって、それが前記の第二の要素の一つとなった(この中で....
気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
す。一方、操縦室の床に倒れていた井上順三の屍体は、機関車の加速度と、曲線に於ける遠心力の法則に従って、あの通りに投げ出されます。だが、ここで問題になるのは、何故....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
てから、現在の位置で螺旋が詰ったものと仮定しよう。けれども、その廻転の間に、当然遠心力が働くだろうからね。したがって、ああいう正座に等しい形が、とうてい停止した....
道標」より 著者:宮本百合子
れら十二のブル※ールから絶えず流れ出して来る自動車の群は、互の環にとけこみながら遠心力のこころよさを味うように凱旋門をぐるっとまわって、やがてそれぞれの街の入口....
宇宙爆撃」より 著者:蘭郁二郎
系と名づけられた原子のあるのを知るかもしれません、そしてそれらの核と電子どもが、遠心力によって飛離れようとするのを、引力というものによって引寄せられ、何もない空....
イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
而上学に於て、経験的事実に先立って、アプリオリに、一切の運動の相対性を主張した。遠心力を知覚出来る円運動の如きも、彼によれば絶対運動ではない、ただ真の運動(wa....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
却って気が楽なようで、いろいろの感情を経験しました。軸がキリキリと回るとき、何と遠心力がつよいでしょうね。一人一人の顔を思い浮べると、みんな遠い遠いところに目下....
喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
げておいてから指で空中に円を画きながら煙管をプロペラのごとく廻転するという曲芸は遠心力の物理を教わらない前に実験だけは卒業していた。 いつも同じ羅宇屋が巡廻し....
『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
のように一つずつ進める。」 「井伏の小説は、決して攻めない。巻き込む。吸い込む。遠心力よりも求心力が強い。」 「井伏の小説は、泣かせない。読者が泣こうとすると、....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
てしまうにしてもだ。浄善尼が奇術的な廻転をした事が判ると、一応は、飛散した金泥に遠心力と云う事を考えるだろうね。そして、あの四本の玉幡が気になって来るのだが、あ....