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「遠来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遠来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
秋山図」より 著者:芥川竜之介
取次ぎに出て来た小厮《しょうし》に、ともかくも黄一峯の秋山図を拝見したいという、遠来の意を伝えた後《のち》、思白《しはく》先生が書いてくれた紹介状を渡しました。....
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
することを妨げがちであったとはいえ、彼の胸奥にも多くの善心が潜んでいたのである。遠来の友が彼の書斎を出て行くや否や、彼はアカーキイ・アカーキエウィッチのことをじ....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
のの前に座を設けられた予は、岡村は暢気《のんき》だから、未《ま》だ気が若いから、遠来の客の感情を傷《そこの》うた事も心づかずにこんな事をするのだ、悪気があっての....
みちのく」より 著者:岡本かの子
鹿とは大分変っておりまして、みんなに、とても大事にされました」 そして、これも遠来の講演者に対する馳走《ちそう》とでも思ったように四郎馬鹿について話してくれた....
新生」より 著者:島崎藤村
せた。黒い仏蘭西風の衣裳《いしょう》を着けた背の低いお婆さんは物静かな調子で一々遠来の客を迎えた。 土地の子供の煩さかったことは、葡萄棚に近く窓のある食堂で岸....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
箸休めの皿をさげて、娘お粂が順に勝手の方から運んで来るものをそのかわりに載せた。遠来の客にもめずらしく思ってもらえそうなものといえば、木曾川の方でとれた「たなび....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
電燈輝く大広間の酒戦乱座のただなかに狂笑しに赴くような気がしてならない。四畳半に遠来の友と相対して湿やかに物語るの趣は君を惹かなくなって、某々会議員の宴会の夜の....
天馬」より 著者:金史良
うよく分っているんです」 大村は角井や田中ににやりと目配せをしてみせ、それから遠来の客もあることなので自分が朝鮮にいて如何に朝鮮人のためを思っているかを身をも....
独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
かもこの料理は、五百パーセントの闇値段で集められた豪華な料理であって、これ全て、遠来の金博士――いや、イギリス政府及び軍部が今は命の綱と頼む新兵器発明王の金博士....
怪塔王」より 著者:海野十三
と博士は口ごもりましたが、やがて思いなおしたように、 「うん、よろしい。外ならぬ遠来の珍客のことだから、案内してあげよう。こっちへ来なさい。ここから下りるのだ」....
淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
た。 山の中腹にある平壤博物館へ行った。既に時間が過ぎて閉門したのであったが、遠来の客とあって館長が特に案内して中を見せてくれた。楽浪の遺物が大部分を占めてい....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
を聞けば大病だという。式台まで見舞うのもかえって人騒せ、主人に取次もしようなら、遠来の客、ただ一泊だけもと気あつかいをされようと、遠慮して、道案内を返し、一人、....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
|銚子で、ちと勢のついた処へ、内儀が速に訪ねて来て、土地子の立役者はありながら、遠来の客をもてなしのそのお悦の案内で、町の最も高台だという公園へ、錦葉を観に出掛....
西航日録」より 著者:井上円了
はれなりけり 二十五日午前、光瑞上人に随半して、ブッダガヤに詣ず。また詩あり。遠来成道地、俯仰思何窮、正覚山前月、尼連河上風、跡残霊樹下、塔聳宝林中、堪喜千年....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
夢をむすぶ身をのせて伽耶に着いたのであった。) 仏陀伽耶懐古(仏陀伽耶懐古)遠来、俯仰感何窮、正覚山前月、尼連河上風。 (遠く釈迦が悟りを開いた地にきて、大....