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「遣る方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遣る方の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
いだけ此の夫人は隠険で、悪が勝って居る、斯う思うと怪美人と此の美人とを引き離して遣る方が怪美人の為かも知れぬ事に依るとアノ贋電報まで、怪美人が出た後で此の夫人が....
乱世」より 著者:菊池寛
守して、官軍と血戦することを主張した。が、それが無謀な、不可能な、ただ快を一時に遣る方法であることは、誰にもわかっていた。隣藩の亀山も、津の藤堂も勤王である。官....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
処にありやと間毎々々を尋ねますと、目指す敵の蟠龍軒は生憎不在と承知いたし、無念|遣る方なく手向う門人二三を打懲らし、庭に残して置きました村と婆を切殺して其の儘帰....
謡曲と画題」より 著者:上村松園
であります。 なかなかよく出来た能楽で小町が黒主から自分の歌を古歌と訴えられて遣る方のない狂う所作はこの狂言の白眉であって、それをお演りになられる金剛先生のお....
」より 著者:岡本綺堂
ぞを振りまわして、むやみに女を撃ち殺すなんて、そんな乱暴な奴は早く取ッつかまえて遣る方がいいわ。逃がして仕舞うといけないから、直ぐに追っかけてお出でなさいよ。さ....
活人形」より 著者:泉鏡花
、床柱へぐるぐる巻きに下枝の手足を縛り附け、一足|退って突立ちたり。下枝は無念さ遣る方なく、身体を悶えて泣き悲しむを寛々と打見遣り、「今となっては汝の方から随い....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
なかった。 さはいえ。 彼女はこよいの薄縁を、城太郎のように、ばばのように、遣る方なき残念とはしなかった。 (こよい会えなければ他の日に、ここで語れねばまた....
私本太平記」より 著者:吉川英治
える。 だが、また。 世間の見えぬ所では、こういう世相に怏々として、ふんまん遣る方ない正直まッ法な良民も少なくなかったにちがいない。 河原の落首がそれを証....