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「遣取〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遣取の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
政談十二社」より 著者:泉鏡花
のないこと、並びに今も来る途中、朋友なる給水工場の重役の宅で一盞すすめられて杯の遣取をする内に、娶るべき女房の身分に就いて、忠告と意見とが折合ず、血気の論とたし....
註文帳」より 著者:泉鏡花
気になるのは、昼間|腕車が壊れていましょう、それに、伊予紋で座が定って、杯の遣取が二ツ三ツ、私は五酌上戸だからもうふらついて来た時分、女中が耳打をして、玄関....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
けれど、第一代筆だろう。きみだか何だか分りやしない。何人に断って、俺の妻と手紙の遣取をする。一応主人たるべきものに挨拶をしろ! 遣兼ねやしない……地方は煩いから....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
生活を知っていた。売薬や袋物を売ったり、下駄屋や差配人をして生活を営んでる傍ら小遣取りに小説を書いていたのを知っていた、今日でこそ渠等の名は幕府の御老中より高く....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
出来の輸出向きの美人画を憶出させた。更に繰返すと『其面影』の面白味は近代人の命の遣取をする苦みの面白味でなくて、渋い意気な俗曲的の面白味であった。 『平凡』は復....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
です。 今まで性命を生んだ、優しい契合点ですね、 あの、親の体の内から迫り出て、遣取をして、 我と我が影像を写すようになって、先ず近いものを、 次に遠いものを取....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
、奉公人が多勢附いてまいりまするから、月々可なりに手当をしてくれるゆえ、大きに小遣取りになりまする。其の年も果て、翌延享三年二月二十九日の晩に、浅草|馬道から出....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ぜえます、是が心懸の宜いもので、忰と二人で能く稼ぎます、私は宅にばかり居ちゃア小遣取りが出来ましねえから、斯うやって小遣取りに出かけます」 秋「そうか、茶ア遣れ....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
が一杯飲んではお村に献《さ》し、お村が一杯飲んで又文治に酬《さ》し、さしつ押えつ遣取《やりとり》をする内、互いにほんのり桜色になりました。色の白い者がほんのりす....
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
。此のごろは二階を堰《せ》かれているんでげすから、折々花魁から使い屋をたてゝ文の遣取《やりと》りに心を通じている場合、何か急な用が出来て花里から使い屋をよこした....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
※、柳樽宜しい」 と無闇に書立て、粥河圖書の眼の前で名前を書いて彼方へ此方へと遣取りをさせました。母親は恩人だから厭とも云われず、娘は唯もじ/\して居る。周玄....
」より 著者:島崎藤村
毒ですし、ああして唯|孤独で置いてもどうかと思うからして、せめて家族の人と手紙の遣取位はさせて進げたいものですッて」 「では、何かネ、君は父親さんと通信を始める....
自作肖像漫談」より 著者:高村光太郎
に働いていた頃、暫く同じ素人下宿に居られた鉄道省の岡野昇氏といわれる人が、私に小遣取をさせる気持で肖像を作らせてくれた。肖像で報酬をもらったのはこれが生れて初め....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
られるようになり、有名な大森の詩人に近づくこともできた。しかし一度失業すると、小遣取りの口に有りつくのは容易でなかった。そのうち庸三の長女に仏蘭西語を教わり出し....
明暗」より 著者:夏目漱石
っき》から一言葉《ひとことば》ごとに一調子《ひとちょうし》ずつ高まって来た二人の遣取《やりとり》は、ここで絶頂に達したものと見傚《みな》すよりほかに途《みち》は....