適う[語句情報] »
適う
「適う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
適うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
を上げましょう、幾許あげたらよいね」 長「左様……別段の御注文でしたから思召に
適うように拵えましたので、思ったより手間がかゝりましたが……百両で宜うございます....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
至公の誠心をもって天下と共に朝廷を輔翼し奉るのほかはない。その事は神祖の神慮にも
適うであろう。神祖は天下の安からんがために政権を執ったもので、天下の政権を私せら....
「蒲団」より 著者:田山花袋
んけえ、今度のことは、神の思召に適っていないと思うけえ。三年|経って、神の思召に
適うかどうか、それは今から予言は出来んが、君の心が、真実真面目で誠実であったなら....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
蔵へ案内されたり、勾欄の下を繞って流れる水に浮いている鯉を眺めながら、彼の舌にも
適うような酒を呑んだりした。葉子はそんな家へ来ると、貰われた猫のように温順しくな....
「爛」より 著者:徳田秋声
や、盛り方などにも、自分の方が、長いあいだ気心を知っている浅井の気分に、しっくり
適うところがあるように思えた。 「お早うございます。」 お増はお今の前を、わざ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
なければ滅多に殺さぬ。自然に生活する自然の人なる農の仕方は、おのずから深い智慧に
適う事が多い。
奥州の方では、昔蛇が居ない為に、夥しい鼠に山林の木芽を食われ、....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
を生む力を持ちたもう。願わくば人々を恵みたまえ」と真心こめて祈る方がかえって愛に
適う道ではあるまいか。巷に出でて万人と交わり道を説くことは自信ある人にできること....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
は訊ねた。 「あるね。俺自身の香味だよ。」 「それが今日のどんな御馳走にでもよく
適うので御座いますか」と、スクルージは訊ねた。 「親切に出される御馳走なら、どん....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
という娘子がいたが、二人の青年に挑まれたときに、ひとりの女身を以て二つの門に往き
適う能わざるを嘆じ、林中に尋ね入ってついに縊死して果てた。二人の青年がそれを悲し....
「初恋」より 著者:国木田独歩
もってし臣、君に事うるに忠をもってす、これが孔子の言葉だ、これこそ日の本の国体に
適う教えだ、サアこれでも貴様は孟子が好きか。』 僕はこう問い詰められてちょっと....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
を入れて桜の葉に包み「新菓葉桜餅」として売り出して見た。するとこれが葉桜、季節に
適うてまず新鮮な感じを呼んだことであろう、たいへんに受けて、拵えても拵えてもみな....
「村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
もござりましょうに。そういう場合にお取りなししたら、何の困難い障害もなく、帰参が
適うに相違ござりませぬ。……今日までご帰参の適わぬは、そのご朋友の金三郎様が、お....
「氷湖の公魚」より 著者:佐藤垢石
は水深十七、八尋で深い方ではなく、明るい淡青色で味がやわらかい。茶を煎じて熟すに
適う。なお底石が細かい火山の噴出物で四時外輪山から湧水を注ぎ込み、餌の藻蝦が豊富....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
弥陀の方より与え給う信心を現すのみか、本願を悦ぶ貌もあり、ずんと当流|易行の道に
適うことである。迚ものことにそう唱えしゃっしゃれ』 おくみ『「忘れられぬぞあのこ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
うなものが最も興味を動かしました。山のなかの景色や人の生活も私にフレッシュな心に
適うたものでした。 あなたは故郷で静かにおちついて暮らしていることと思います。....