適評[語句情報] » 適評

「適評〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

適評の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
。その時の能勢の顔を見るだけの勇気が、自分には欠けていたからである。 「そいつは適評だな。」 「見ろ。見ろ。あの帽子を。」 「日《ひ》かげ町《ちょう》か。」 「....
非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
もない。さりとて偏物《へんぶつ》でもなく、奇人でもない。非凡なる凡人というが最も適評かと僕は思っている。 僕は知れば知るほどこの男に感心せざるを得ないのである....
野分」より 著者:夏目漱石
「何だか冷《つ》めたいような心持がしますわ」 「その通りだ。冷めたいと云うのが適評だ。何だか妙だと思っていたが、どうも、いい言葉が出て来なかったんです。冷めた....
小田原陣」より 著者:菊池寛
、諸勢を慰め、浮やかにし給ひし才には中々信長公も及ぶまじきか」と批評して居るが、適評である。 一方小田原方でも負けないで、持久の計を立てて居る。 「昼は碁、将....
平塚・山川・山田三女史に答う」より 著者:与謝野晶子
る」といわれたのは、それは花の日会や救世軍などの慈善運動に奔走する婦人たちにこそ適評となるでしょうが、私に対しては「否」という外はありません。 しかし千里の路....
わが父」より 著者:宮本百合子
たことがあったとその晩笑って云った。 「間口がひろくて、浅いところは我ながら成程適評だと思うね」 「――でも、お父様は小皿じゃないわ。かなりなお皿よ、深い大きい....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
お祝いにくれます。たのしみです。それで検印するの。 山崎の伯父様のいかめし型は適評です。柔道の先生のことは勿論よく承知して居ります。いろいろ考えちがいをするこ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
から。ほめて苦笑されるけれど「ロバとキリンの間を往来している存在に対してのみ」は適評ね。 これらのことにつれて沁々と思うことは、武者さんの例にしてもね、私たち....
大きな蝙蝠傘」より 著者:竹久夢二
うであったかもしれません。この場合「何処の紳士かと思ったら」というのは、ほんとに適評だったので、皆はどっと笑いくずれました。 幹子も一緒になって笑いながら「お....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
がたくないだろうが、風※が何処か似通っている。山本権兵衛と見立てたのは必ずしも不適評ではない。 が、骨相学や人相術が真理なら、風※の似通っている二人は性格の上....