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「遭う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遭うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
ことを思っていた。だから吉田の頭には地震とか火事とか一生に一度|遭《あ》うか二度遭うかというようなものまでが真剣に写っているのだった。また吉田がこの状態を続けて....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
o Bruno イタリアのノラ Nola で生れたドミニカン僧侶)のような運命に遭うのを免れることができた。このブルノはその信条のために国を追われ、欧州の顕著な....
振動魔」より 著者:海野十三
運ともいうべきだろう。柿丘でなくとも、どのような男だって、雪子夫人のような女に出遭うと、立ち竦みでもしたかのように彼女から遠のくことが出来なくなるだろう。だが柿....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
牙はつるぎの如くで、そこを通る象の一類はみな呑まれたり噬まれたりします。その難に遭うもの幾百、もはや逃げ隠れるすべもありません。あなたが弓矢を善くするのを存じて....
獄中記」より 著者:大杉栄
拘引されてから、初めての入獄をただ好奇心一ぱいにこんどはどんなところでどんな目に遭うのだろうとそれを楽しみに、警察から警視庁、警視庁から検事局、検事局から監獄と....
奇賊は支払う」より 著者:海野十三
誘拐いたすべく候間お渡し下されたく、万一それに応ぜざるときは貴殿は不愉快なる目に遭うべく候。右念のため。草々敬具。烏啼天狗生拝” まことに念入りな鄭重慇懃を極....
見えざる敵」より 著者:海野十三
「ほら、博士の奥の手が始まった。早く引きあげないと、またこの前のようにひどい目に遭う、気をつけろ」 首領の怒鳴っているうちに隙があったものか、博士はヒラリと身....
死者の書」より 著者:折口信夫
は、奈良の家を考え浮べることも、しなかったであろう。まして、家人たちが、神隠しに遭うた姫を、探しあぐんで居ようなどとは、思いもよらなかったのである。唯うっとりと....
海亀」より 著者:岡本綺堂
が、ここらじゃあ旧暦の盂蘭盆には海へ出ないことになっている。出るとかならず災難に遭うというのだ。一体どういうわけで、昔からそんなことを言い伝えているのか知らない....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
もないと言えば何のこともなさそうな事実|譚である。だがなるほど、大正のあの地震に遭うて焼けたものと思いこんで居たのが、偶然助かって居たとすれば、関係深い人々にと....
江戸の化物」より 著者:岡本綺堂
た着物の模様に朝顔がついていたそうで、その後、この屋敷の中で朝顔を見ると、火事に遭うとか、病人がでるとか、お役御免になるとかで、きっと不祥のことが続いたというこ....
妖怪報告」より 著者:井上円了
なる辱上に寝ね、もしくは狭窘なる位置に臥したるときは、骨を傷つき、もしくは楚撻に遭うと夢み、消化せざる食餌をなすときは、肥大なる黒熊来たり、わが胸膈に当たりて、....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
十四 山小屋の秋の一夜。私はツルゲネフの『猟人日記』を思いうかべつつ、再び遭うことの難かるべきこの詩的の一夜を、楽しく過さん手段を考えた。 窓近くに鹿が....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
た。彼女は単に※三人で、此方は女一人、迂濶加勢に飛び出したら自分も何んな酷い目に遭うかも知れぬ。お葉は息を殺して猶も窺っていると、彼等は頻にキキと笑いながら冬子....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
くる。不図行手を眺めると、傍らの林間に白々と濃い煙が細雨の中を騰って行く光景に出遭う。炭売りから帰る婦たちが大樹の下などに集って、焚火に暖をとる為の仕業であるこ....