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遮二無二
「遮二無二〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遮二無二の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
ちろんです。それから僕は三十分ばかり、熊笹《くまざさ》を突きぬけ、岩を飛び越え、
遮二無二《しゃにむに》河童を追いつづけました。
河童もまた足の早いことは決して....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
《ことわ》れば好《い》いとでも思ったのでしょう。いきなりその馬に跨《またが》って
遮二無二《しゃにむに》街道を走り出しました。そこまでは勇ましかったのに違いありま....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
が》の枝が、暗い霧を払いながら、悩ましい悲鳴を挙げていた。彼は熊笹を押し分けて、
遮二無二《しゃにむに》その中を下って行った。熊笹は彼の頭を埋めて、絶えず濡れた葉....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
夜着の隙間を塞《ふさ》いだ。すると猫は大胆にも枕の上へあがって来てまた別の隙間へ
遮二無二《しゃにむに》首を突っ込もうとした。吉田はそろそろあげて来てあった片手で....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
お絹はどうしても肯《き》かなかった。彼女はまったく気でも違ったように男にむかって
遮二無二《しゃにむに》食ってかかって、邪《じゃ》が非《ひ》でもこれから不二屋へ一....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
力を失って垂れ下った。肉体はややともすると後ろに引き倒されそうになりながら、心は
遮二無二前の方に押し進もうとした。 クララは半分気を失いながらもこの恐ろしい魔....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ゆい子供たちが戦ごっこをしている。 その後の経過を述べるとこうである。 私は
遮二無二|新嘉坡から一人で内地へ帰って来た。旅先きでの簡単な結婚式にもせよ、それ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
出来ないと答えたが、相手はそれを詳しく説明しないで、なんでもかの笛を渡してくれと
遮二無二彼に迫るのであった。 こうなると弥次右衛門の方には、いよいよ疑いが起っ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
流――些細な犯罪現象の個々一つ一つにさえ、影を絶たないあの大魔力に、事件の動向は
遮二無二傾注されてゆくのではないか。熊城は顔面を怒張させて、しばらくキリキリ歯噛....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ことによったら、異常な寒気に逢った場合、そうなるのではないか。そして、幻覚を見、
遮二無二身をおこし、橇をかって氷の涯へと飛んでゆく。もちろん、そうした場合だから....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
これに当っていた。 すると、意外にも、本多忠政、松平忠明等、渡辺大谷などの備を
遮二無二切崩して真田が陣へ駆け込んで来た。また水野勝成等も、昨日の敗を報いんもの....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
いるとする場合だ。そのちょっとした発見から、たちまち偏見が湧き起って、その人間は
遮二無二最後の頁を開け、大団円を見てしまうんだ。現に、その展覧狂めいたものが、あ....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
た。 源兵衛も今まではさすがに躊躇していたのであるが、きょうはなんと思ったか、
遮二無二その冒険を実行しようと主張して、とうとう自分のからだに藤蔓を巻いた。四人....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
行った。飛びかかり飛びすさりしながら、募る恨みと憎しみに、二人は腕を張り切らせて
遮二無二相手に投げ付けた。――これでもか、俺の呪いと憎みを知れ――と、双方の一つ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
る覚束ないものであった。何でも本道から西へ入ると聞き伝えているので、心の急く彼は
遮二無二西へと進んだ。昨日|彼のお葉が踏んだ路である。彼も大小の岩を飛び越えねば....