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遮断
「遮断〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遮断の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女」より 著者:芥川竜之介
のような、ただ一つの窓を残して、この獰猛《どうもう》な灰色の蜘蛛を真昼の青空から
遮断《しゃだん》してしまった。が、蜘蛛は――産後の蜘蛛は、まっ白な広間のまん中に....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
は、丁度、北支那の冬のように、このみじめな見世物師の心から、一切の日光と空気とを
遮断して、しまいには、人並に生きてゆこうと云う気さえ、未練|未釈《みしゃく》なく....
「或る女」より 著者:有島武郎
て途方に暮れた倦怠《けんたい》の視線を投げるばかりだった。地上の生活からすっかり
遮断《しゃだん》された船の中には、ごく小さな事でも目新しい事件の起こる事のみが待....
「或る女」より 著者:有島武郎
、日の順に一つの束からほどき始めた。
いかにつまらない事務用の通信でも、交通|
遮断《しゃだん》の孤島か、障壁で高く囲まれた美しい牢獄《ろうごく》に閉じこもって....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
るとき私はこの堤防の道幅の狭いところを歩いていると、乞食らしい男が、すっかり道を
遮断して寝転んでいた。近づくままに顔を見るとそれはもう末期にちかい癩患者で、眼も....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
。府内はいっさい双蹄獣の出入往来を厳禁し、家々においてもできる限り世間との交通を
遮断している。動物界に戒厳令が行なわれているといってよい。僕はさいわいに危険な位....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
とく精進癖にとじ込められて、甘い、楽しい、愉快だなどというあかるい方面から、全く
遮断されたようであった。 ふと、気がつくと、まだ日が暮れていない。三人は遠慮も....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
けたたましい音響が迸る。毒々しい青緑色の稲妻が天井裏にまで飛びあがった。――電路
遮断器が働いて切断したのだった。 と、思い掛けぬ窓のかげから素早く一人の男が飛....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
の実験室は、上海の地下二百メートルのところにあり、あの小うるさい宇宙線も、完全に
遮断されてあるのであった。 天井裏のブザーが、奇声をたてて鳴った。 「ほい、ま....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
は、あの広い川面が、木製の寝台を浮べて一杯となり、上る船も下る船も、完全に航路を
遮断されてしまって、船会社や船長は、かんかんになって怒ったが、どうすることも出来....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
乗物の出入口を全部閉めたらひとりでに飛出してしまったのだ」 「ああ、それでは引力
遮断機が働いてしまったのだ……。何も私たちはあの二少年をひどい眼には合わせません....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
わしていて面白いのでした。ことに単純なYの、孤独というものをまるで知らないYの、
遮断された生活の感想は、特別面白いのでした。 彼は獄中では、ほとんど暴れとおし....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
雷猛雨に逢って、遁げも、引きも、ほとんど詮術のなさに、飲みかけていた硝子盃を電力
遮断の悲哀なる焦慮で、天窓に被ったというのを、改めて思出すともなく、無意識か、は....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
んでいる。よしんば家庭のまわりを高塀が、ぐるりと囲んでいるにもせよ、まさか空気を
遮断することは出来まい。つまり駄目だ! 江蘇浙江は毎日戦争の防備をしているし、福....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
とする。 両軍相対峙するに至れば互に小部隊を支分して小戦に依り敵の背後連絡線を
遮断し、また倉庫を奪い、戦わずして敵を退却せしむる事に努力する。敵の要塞に対して....