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「遷す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遷すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
広津氏に答う」より 著者:有島武郎
おそらくかかるものを意味するのであろう。まことに一つの生活様式が他の生活様式に変遷する場合において、前代の生活様式が一時に跡を絶って、全く異なった生活様式が突発....
国語音韻の変遷」より 著者:橋本進吉
語の違うに随って異なると共に、同じ言語にあっても、時代または時期の違うに従って変遷するものである。国語の音韻の変遷を考えるには、単に一々の音の時代的変化ばかりで....
近時政論考」より 著者:陸羯南
的精神の発達に因らずんばあらず。 泰西国民論派の本領 泰西国民的精神の変遷すでにかくのごとし。その国民論派の功績またかくのごとし。されば泰西にありてはナ....
比較言語学における統計的研究法の可能性について」より 著者:寺田寅彦
ずしも不変なものではなくて、たとえば放射性物質のごとく、時とともに自然に崩壊し変遷する可能性を持つものと想像する。それでかりに地球歴史のある一定の時期において、....
文学の大衆化論について」より 著者:宮本百合子
より広汎な、各流派を包括する文壇が形成された。 歳月を経るにつれ、社会事情が変遷するにつれ、その文壇というものが、文学的分野で全く特殊な場所となって来た有様に....
新たなプロレタリア文学」より 著者:宮本百合子
元来非常に活々した社会性をもっているものだけに、諷刺の対象が時代の影響をうけて変遷するばかりではない。諷刺するもの、そのものの属している階級の力のもりあがりと密....
連環記」より 著者:幸田露伴
漸く玉の艶を失って行くように、次第次第衰え弱った。定基は焦躁しだした。怒りを人に遷すことが多くなった。愁を独りで味わっていることが多くなった。療治の法を求めるの....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
ったのであるが、およそ六十年といえば、その前と後とでは、世態も人情も少しならず変遷すべきであるからして、その移りゆきつつあった世の中に処した実隆の生活も、また随....
土佐の地名」より 著者:寺田寅彦
されつつ永い年代の間に転訛する、一方で吾々の通用語はまたこれと別の経路を取って変遷するからである。こういう訳であるから地名の研究が民族の過去の歴史を研究する上に....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
もあったろうが、父は生来片意地な性格の一面を持っていた。新時代の要請に容易に志を遷すということをなしえなかったのである。 その父が法律や規則などを煩さがってい....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
事によって糊口して行けるか否やについても不安である。いろいろ急激に社会の事物の変遷する時代は、何事によらず、その社会に生きて行く人の上には不安な思いが襲い掛かっ....
向嶋」より 著者:永井荷風
の他はこれより先既に世を去ったものが多かった。堤上の桜花もまた水害の後は時勢の変遷するに従い、近郊の開拓せらるるにつれて次第に枯死し、大正の初に至っては三囲堤の....
オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
ら来るものもあれば、混同から来るものもあるが、時代思想の変化に伴のうて、自然に変遷する場合がもっとも多い。試みに傍例を観察してみると、かの護国の神たる四天王が貞....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ることあるのみ。 寺院にて礼拝、説教の度数およびその時間の長短は、世とともに変遷すという。昔時は、ヤソ教は毎日礼拝を行い、その時間またいたって長く、日曜のごと....
牛鍋からすき焼へ」より 著者:古川緑波
味淋のワリシタで、煮る、牛鍋だ。ところが、それが段々と、すき焼という名の牛鍋に変遷するのであるが、これは関西風の、すき焼ってものから語らなければ、ならない。 ....