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「遷り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遷りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
食魔」より 著者:岡本かの子
ているのか。 お絹のこころに鼈四郎がいい捨てた言葉の切れ端が蘇って来る。「世は遷り人は代るが、人間の食意地は変らない」「食ものぐらい正直なものはない、うまいか....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
八月十六日、那古野に出で三方より清須城を攻めた。翌年になって終に清須を落して自ら遷り住し、信光をして郡古野に、その弟信次を守山に居らしめた。処がこの守山(清須か....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ほとりの常磐木や、落葉木の若葉して、青葉となりて、落葉して、年また年と空宮に年は遷りぬ四十五。 四十五年の御代長く、事|稠き代の御安息無く、六十路あまり一年の....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
この年五月十五日に、津軽家に代替があった。信順は四十歳で致仕して柳島の下屋敷に遷り、同じ齢の順承が小津軽から入って封を襲いだ。信順は頗る華美を好み、動もすれば....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
うだった。 「チュッ、チュッ、チュ、チュッ」 庭樹に飛んで来た雀が二羽三羽、枝遷りして追随しながら、睦ましげに何か物語るように鳴いた。 「告口……証拠……大変....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
※(巻八)の如く両方に書いている。 一首は、明日香に来て見れば、既に都も遠くに遷り、都であるなら美しい采女等の袖をも飜す明日香風も、今は空しく吹いている、とい....
お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
巻き立って、自分の力が強められた様な誇らしい心持に移って行った。 それ等の心の遷り変りは実に実に速くて、目にも止まらぬ程のものでは有ったけれ共、※子の心は非常....
朝顔日記の深雪と淀君」より 著者:上村松園
しっくりふさわしいものがどれだというしっかりした考えがなくて、ただ猫の目のように遷り変わる流行ばかりを追うからだと思います。自分に似合っても似合わなくても女とい....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
。 大槻は年ごろ五十歳あまり、もと陸軍の医者で、職を罷めてからは目黒の三田村に遷り住んで、静かに晩年を送ろうという人、足立駅長とは謡曲の相手で四五年|以来の交....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
の為に略せられて遂に賤隷となる。故に俘囚或は夷俘といふ。其の属陸奥出羽にあり。後遷りて諸国に居る」とあるものは、明かに俘囚の本国を陸奥・出羽両国なりとするものと....
松園女史の思い出」より 著者:金子薫園
。 鶯はまだ啼きやまない。 窓越しに見ると、莟のふくらみかけた大木の丁子の枝遷りして、わが世の春の閑かさ暖かさをこの時に萃めているように。 (昭和二十五年)....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
心得て疾く手を著くる 心高き人のえなさぬことあらめや。 アリエル 聞け。遷り行く時の神ホライの駆ける風を聞け。 霊の耳には音が聞えて、 もう新しい日が生....
古事記」より 著者:太安万侶
サツ姫という二人が足一つ騰《あが》りの宮を作つて、御馳走を致しました。其處からお遷りになつて、筑前の岡田の宮に一年おいでになり、また其處からお上りになつて安藝の....
三国志」より 著者:吉川英治
伸ばしてみたい気もするが」 「そこだ、呂布君。良禽は木を選んで棲むという。日月は遷りやすし。空しく青春の時を過すのは愚かではないか」 「む、む。……では李君。貴....
三国志」より 著者:吉川英治
し、張済を驃騎将軍に命じた。 「長安は大廃しました。弘農(陝西省・西安附近)へお遷りあってはいかがです」 張済のすすめに、帝も御心をうごかした。 帝には、洛....