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「遷延〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遷延の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
のもとへ書いてよこしてくれ、またその訳書の長い序文のはじにも、「此書因種々事故、遷延甚久。如今以這篇年譜為最後工作。在此※望此書之快成、併敬祝原著者健康。」とし....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
かと、全世界の人々は、その報告を待ちかねた。だが、その報告は人々の期待を裏切って遷延し、やっと五日後になって発表をみたが、それによると超音波によるメッセージも効....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
から充分其の目的の達する様にして遣るとの約束を得て居ましたけれど好機会を得ぬ為に遷延《せんえん》して居たのです、所が監獄の医を勤めて居る彼の大場連斎が権田の意に....
地球盗難」より 著者:海野十三
切な推理を落とした。それがためこの重大事件は、もっと早く解決すべくして、不幸にも遷延するという結果に陥ったのは是非もない。とにかく隕石の役目はなんのことかハッキ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
の中に一年は夢のように経って終ったけれども、裁判は少しも埒が開かない。 裁判を遷延さす事はそれが弁護人の策略であるかのように神戸牧師には思えて仕方がなかった。....
十二支考」より 著者:南方熊楠
漢の張平子の『西京賦』に、〈ここにおいて鳥獣、目を殫《つく》し覩窮《みきわ》む、遷延し邪視す、乎長揚の宮に集まる〉。注に『説文』曰く、〈睨は斜視なり、劉長曰く、....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
父賢秀が光秀に従わぬ為に攻められかかった時援兵を乞うたのにも、怯懦《きょうだ》で遷延して、人質を取ってから援兵を出すことにし、それも捗々《はかばか》しいことを得....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
川の漁業権など、いろいろの事柄に関する古い係争がなお引き続き、修道院相手の訴訟が遷延していたので、彼は親しく修道院長に会って、なんとか事件を円満に解決するわけに....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
てなければならない、老中から更に将軍の裁可を受けなければならない。こうして時日を遷延している中に、何とかして死罪から一等を減ずる方法を見出させようと云うのが、所....
新撰組」より 著者:服部之総
一挙に清掃して政権を奪取することに懸っていた。この日以後近藤勇の新撰組には、攘夷遷延のゆえに幕府当路を責めることよりも何よりも、さしあたり第一、「尊攘」実践のた....
」より 著者:岡本かの子
込んで怒った。 室子はもう一度見合いをさせられた。それは口実なしに先方が返事を遷延してしまった。 室子はそういう場合、得体の知れぬ屈辱感で憂鬱になる。そして....
三国志」より 著者:吉川英治
われた。 孫権は、口を開くなり直問した。 「急転直下、事態は険悪を極め、一刻の遷延もゆるさないところまで来てしまった。都督、卿の思うところは如何に。――忌憚な....
三国志」より 著者:吉川英治
ないか。いわんや、蜀の劉璋などに、なんの斟酌を持っているものか。すべて彼と孔明の遷延策にほかならぬものだ。そして何とかかんとかいって荊州を呉へかえさない算段をめ....
三国志」より 著者:吉川英治
の戦も、彼の攻勢に、味方はようやく防いだのみだ」 「そもそも。このたびのご出陣は遷延また遷延をかさね、ちと遅すぎました。ゆえに呉は国防に全力を賭し、その期間に濡....
三国志」より 著者:吉川英治
の政を重んずるゆえんでない)と、反対の説が多く、ために、玄徳も心ならずも、出兵を遷延している状態であった。 折ふし張飛は成都へ出てきた。 その日も玄徳は朝廷....