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選り
「選り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
選りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
論理と、思想と、検察法とをもって、文芸的作品に臨み、労働文芸としからざるものとを
選り分ける。私はそうした態度を採ることは断じてできない。
もし階級争闘というも....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
いつになく機嫌がよく、朝からそわそわと衣裳を出して眺めたり帯上げをあれやこれやと
選りわけたりしていましたが、気に入ったのが見付かったのか、着物を着換えると、行先....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
く――そうしたものを、問屋に持ちこむのだった。問屋には、数人の職人が居て、品物を
選り別けたり、特別のものを作ったりして、その上に商標のついた帯をつけ、重い束を天....
「赤外線男」より 著者:海野十三
ダリアが嫌いだったら、『赤外線男』として汝を捕縛する。それッ」 ワッと喚いて、
選りぬきの腕に覚えのある刑事が、ダリアの上に折り重なった。もう遁げる道もなければ....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
んでいって咬みつくという攻撃精神に燃え立っている攻撃隊員というところを五匹ばかり
選り抜いたので、それで相手が斃れないという法はないのじゃ。不思議という外ない」 ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
にをって? 分かっているじゃないか。七十何名のカワカミの中から、本物のカワカミを
選りだすんだ」 「ああなるほど籤引かい」 「籤引? あきれた奴だ、
選りだすんだ」....
「橋」より 著者:池谷信三郎
母親は、まるでお聟さんでも選ぶように、あちらこちらから娘の嫌やだと言う半襟ばかり
選りだしていた。娘はじつをいうと、自分にひどく気に入ったのがあるのだが、母親に叱....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
之を排斥する。それは当然である。異端邪説があればこそ、爰に初めて真人と、偽人との
選り分けができる。それ等は皆不純なる根源から出発し、常に悪霊から後押しされる。魔....
「新学期行進曲」より 著者:海野十三
ってまいります。そしてまずあたくしが読んでみまして、他の受験書に出ていない問題を
選りわけまして、道夫に毎日毎日やらせているのでございますよ。あたくしは、いやしく....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
斗を開けた。書いたものをあらまし引裂いて棄ててしまおうとして、私はむかしの文書を
選り分けにかかったのだった。 私は抽斗をあけると黄ろく色の変った紙片がうず高く....
「暗号数字」より 著者:海野十三
、つかつかとその上にあがっていった。そして高価な洋酒の壜を、あれやこれやと矢鱈に
選りつづけるのだった。 店員の態度が、可笑しいほどがらりと変った。そこにない洋....
「好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
した。この間内から大倉男爵や横山大観さんなどの歓送迎会などの席上で、京都でも一粒
選りの美人を随分見る機会がありましたが、目が美しいとか生え際がいいとか、口許が可....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
い人たちに讃美歌の歌い方を教えて、ぴかぴかの銀貨をたくさん稼いでいた。日曜日に、
選りぬきの歌い手たちを引きつれて、教会の聖歌隊の場所の正面に席をしめることは、彼....
「明治懐顧」より 著者:上村松園
に積み重ねられてあって、私どもが、「お手本を」と言うと、「その積んでいる中からお
選り」と言われる。私どもは、その中から好ましいのを
選り出してお手本にするのです。....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
たのである。四月には珍しい寒い夜だった。空には星がたくさんまたたいていた。仕事を
選り好みするときではない。私は本所清水町十七番地の桜井つけ物店で働かしてもらうこ....