遺書[語句情報] »
遺書
「遺書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遺書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ふきやちょう》の芝居小屋などを徘徊《はいかい》して、暮方宿へ帰って見ると、求馬は
遺書を啣《くわ》えたまま、もう火のはいった行燈《あんどう》の前に、刀を腹へ突き立....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
その秋の彼岸《ひがん》の中日《ちゅうにち》、萩野半之丞は「青ペン」のお松に一通の
遺書《いしょ》を残したまま、突然|風変《ふうがわ》りの自殺をしたのです。ではまた....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
たちに与えられた一節だった。若《も》しこの書き物を読む時があったら、同時に母上の
遺書も読んでみるがいい。母上は血の涙を泣きながら、死んでもお前たちに会わない決心....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
と寐たのを見て、お蔦の黒髪を抱きながら、早瀬は潔く毒を仰いだのである。 早瀬の
遺書は、酒井先生と、河野とに二通あった。 その文学士河野に宛てたは。――英吉君....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
しかし彼の行方不明になったことは確かに彼の死んだことだった。彼は母や弟にそれぞれ
遺書を残していた。彼に罰を加えた甲板士官は誰の目にも落ち着かなかった。K中尉は小....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
から、幾年後には何千円を値いするようになるかも計られない。日本では、伊藤圭介翁の
遺書が大学の書庫に収められてる筈であるが、其外に恐らく五部と無いものであろう。 ....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
らきた者に教える役もします。そういうときには、艇から外へほうりだすまえに、重大な
遺書を中へ入れるのがれいになっています」 「では、ギンネコ号は、女王号の
遺書をぬ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ういう妙な噂が立ったので、いま杉田の衣嚢をとりよせて調べてみると、ほら、こういう
遺書がでてきました」 「えっ、
遺書? どれ、――」 と長谷部大尉が手にとってみ....
「古狢」より 著者:泉鏡花
に出たなんぞって、そんなのは、お藻代さんの身に取って私は可厭。……それだとどこで
遺書が出来ます。――轢かれたのは、やっと夜の白みかかった時だっていうんですもの。....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
と、もろい折方、憤死してしまったんだ。七代まで流儀に祟る、と手探りでにじり書した
遺書を残してな。死んだのは鼓ヶ嶽の裾だった。あの広場の雑樹へ下って、夜が明けて、....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
咲いた、白玉椿のお人柄、耳たぶの赤くなる、もうそれが、砕けるのです、散るのです。
遺書にも、あったそうです。――ああ、恥かしいと思ったばかりに――」 「察しられる....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
も滝太郎を守立ててる竜川守膳という漢学者。 守膳は学校の先生から滝太郎の母親の
遺書を受取ったが、その時は早や滝太郎が俵町を去って二月ばかり過ぎた後であったので....
「あの世から便りをする話」より 著者:海野十三
らず、夫婦の間に出来た、たった一人の子供も殺して死んだ。 さてその死後、友達の
遺書というのが、私ともう一人の矢張り科学者の友達に遺されていました。その
遺書で彼....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
決した時、次の室に畏っていた、二上屋藤三郎すなわちお若の養父から捧げられたお若の
遺書がある。 橘は取って披見した後に、枕頭に進んで、声を曇らせながら判然と読ん....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
イス・ロスト』を完成し、さらに『パラダイス・リゲインド』を起草せりという。室内に
遺書および遺物を保存す。 詩賢避。 (詩賢の人は疫病を避けてこの片田舎に臥し、ひ....