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「遺漏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遺漏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
いと思われるのであった。しかし熟考してみると、こういう注釈を合理的に全部に亘って遺漏なく付けるということはなかなか容易な業ではなく、また到底現訳者の任でもないこ....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
体的に云おうとすれば、この云い方は欠点に充ちているが、それは避けることの出来ない遺漏である。 思想の科学、即ち又世界観の科学、と云ったが、の思想乃至世界観とい....
道徳の観念」より 著者:戸坂潤
に、同時に又、ブルジョア観念論的倫理学にとって略々共通の(ヘーゲルは除く)根本的遺漏に他ならない。 かくて吾々は、ホッブズの倫理学とそれに基くブルジョア倫理学....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
岩佐専太郎、杉山灌園(以上仕手、脇方。その他囃子方、狂言方等略) まだこの他に遺漏忘失が多数ある事と思う。氏名なども間違っている人があるかも知れないが筆者の記....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
もかも目茶苦茶だ。」と泣くような声で訴えた。 式部は静かにあたりを見廻し、跡に遺漏のものの無きを見とどけ、さて、丹三郎に向い、 「これも皆、あなたの言葉から起....
災難雑考」より 著者:寺田寅彦
あらゆる国防の機関についても同様に言われることである。もちろん当局でもそのへんに遺漏のあるはずはないが、しかし一般世間ではどうかすると誤った責任観念からいろいろ....
科学論」より 著者:戸坂潤
を訂正して、再版の体裁にすることにした。出来る限りの訂正をした心算であるが、まだ遺漏があるかも知れないので、今後も読者の助力を乞う次第である。 私のこの『科学....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
するだけではなくて、もっと広範な地盤を支配する。吾々が何かの事物を具体的に観察し遺漏なく捉えようとすると、必ずその事物の内部と周囲とに一種のアトモスフェアが発生....
富岡先生」より 著者:国木田独歩
は余程よき機会を見て貰いたい、無暗に急ぐと却て失敗する、この辺は貴所に於て決して遺漏はないと信ずるが、元来老先生といえども人並の性情を有っておるから了解ることは....
科学上における権威の価値と弊害」より 著者:寺田寅彦
が先ず理想的の権威と称すべきものではあるまいか。 現在既知の科学的知識を少しの遺漏もなく知悉するという事が実際に言葉通りに可能であるかどうか。おそらくこれは六....
自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
。しかしながら実際の自然現象を予報せんとする場合に、この現象を定むべき主要条件を遺漏なく分析する事は必ずしも容易ならず。故に各種原因の重要の度を比較して、影響の....
幕末維新懐古談」より 著者:田村松魚
て多趣味のお話を我々両人の記憶にはとても残らずは記憶し切れないと思ったので、失念遺漏を恐れ、私が筆まめなのに任せてすべてを聞き書きしたのである。しかし、私の最初....
馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
何と相接触して居る関係点は非常に沢山あることでござりまするから、それらをいちいち遺漏無く申上げる事は甚だ困難の事で、かつまた一席の御話には不適当な事でございます....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
像のデッサンとして頗る不十分であった。即ち煩冗を去り補修を施こし、かつ更に若干の遺漏を書足して再び爰に収録するは二葉亭|四迷の如何なる人であるかを世に紹介するた....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
化の知識があるのですから、この知識を働かして、突き止められるだけは突き止めて、万遺漏のない心用意をしてから、さて「信仰」に入ります。そうしたものはあとで心の揺ぎ....