遺習[語句情報] »
遺習
「遺習〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遺習の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「創作人物の名前について」より 著者:夢野久作
説だと風采と心が一致している場合が大変に多いのであるが、それはお伽話か神話以来の
遺習で、現実味の強い今の小説ではそう手軽く行かないから困る。人は見かけによらぬも....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
とする風があった。当時の硯友社や根岸党の連中の態度は皆是であった。 尤も伝来の
遺習が脱け切れなかった為めでもあるが、一つには職業としての文学の存立が依然として....
「沓掛より」より 著者:寺田寅彦
ことがなかった。そのころにはこういうものは、「西洋人に見られると恥ずかしい野蛮の
遺習」だというふうに考えられて、公然とはできないことになっていたように記憶する。....
「婦人作家の「不振」とその社会的原因」より 著者:宮本百合子
す。御存知のように日本には徹底したブルジョア革命が無かったから、封建時代の思想、
遺習が多分に残っていて、女の文化程度が非常に低い。今日日本で婦人労働者の数は全労....
「三面一体の生活へ」より 著者:与謝野晶子
は既往にも甚だ稀にしかなかったのです。殊に今日は腕力の延長である戦争、野蛮時代の
遺習である戦争に由って国民生活の利益を計る事の不法に何人も目の覚めない時代ではあ....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
は西洋の文典書中に実名詞の種類を分けて男性女性中性の名あるが如く、往古不文時代の
遺習にして固《もと》より深き意味あるに非ず。左れば男子は活溌にして身体強大なるが....
「正宗谷崎両氏の批評に答う」より 著者:永井荷風
おい》芸者を離れて演劇女優に移りかけていたので、わたくしは芸者の流行を明治年間の
遺習と見なして、その生活風俗を描写して置こうと思ったのである。カッフェーの女給は....
「獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
に依つて今に至り、他社の獅子頭この地を過るときは、必ず頭を低て拝礼して去る。これ
遺習なり』とある記事である。勿論、獅子頭を埋めて獅子塚または獅子舞塚と称した例は....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
のまま平家時代にも流れていた。平家物語のうちに出てくる男女の出家は、みな前時代の
遺習を継いだものといえよう。――西行、文覚、池ノ尼、待賢門院、信西、為義、妓王妓....