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遺著
「遺著〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遺著の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
ルに自己の著述を捧げたロッジも同じ考えのように思われる。ついこの間出たポドモアの
遺著もおそらくは同系統のものだろう。 独乙《ドイツ》のフェヒナーは十九世紀の中....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
一巻の上木を思い立つ座光寺の北原稲雄のような人がある。古学研究の筵を開いて、先師
遺著の輪講を思い立つ山吹の片桐春一のような人がある。年々|寒露の節に入る日を会日....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
る。従来国恩の万分の一にも報いようとの意気込みで北原稲雄らによって計画された先師
遺著『古史伝』三十一巻の上木頒布は一層順調に諸門人が合同協力の実をあげる。小野の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
縫助に言って見せた。 そこへ久兵衛の養子が奥から顔を出した。店には平田|篤胤の
遺著でも取りそろえて置こうというような町人|気質の久兵衛とも違って、その養子はま....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
者を数える。北には倉沢義髄を出し、南には片桐春一、北原稲雄、原|信好を出し、先師
遺著『古史伝』三十一巻の上木頒布に、山吹社中発起の条山神社の創設に、ほとんど平田....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。肥料が肥料を食ってしまったのである。世には斯様な事が沢山ある。
トルストイの
遺著の中、英訳になった劇「生ける屍」を読む。トルストイ化した「イナック、アヽデン....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
いる。 この賢夫人サラーの生涯は、実に一立志伝である。しかのみならず、その夫の
遺著に題した序文は、絶代の名文と称せられているものであって、我輩はこれを読むたび....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
の図書館に対する関心。それから、高野長英蘭語遺稿の翻訳・清朝秘録の出版・モラエス
遺著の翻訳・西源院本太平記の刊行・聖徳太子憲法のドイツ語翻訳・愚管抄の英語翻訳・....
「「晩年」に就いて」より 著者:太宰治
「晩年」は、私の最初の小説集なのです。もう、これが、私の唯一の
遺著になるだろうと思いましたから、題も、「晩年」として置いたのです。 読んで面....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ある。鴎外が亡くなってから今年で二十五年になる。鶴見の問に答えるものは最早鴎外の
遺著より外にない。 鶴見は一先ずここらで考を打切ることにした。そしてうつろな目....
「大塚楠緒子」より 著者:長谷川時雨
お子は母君《ははぎみ》のあとを慕《した》って、次々に世をさられました。 女史の
遺著は小説、歌文、詩、脚本など沢山にあるなかに、『晴小袖《はれこそで》』は短篇小....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
いことを確信するのでなかったら、これに耐えることは出来なかったであろう。
この
遺著は、彼が完成しようと企てた遥かにもっと大きな著作の輪郭に過ぎない。従ってそれ....
「鐘の声」より 著者:永井荷風
心付かぬほど、埒《らち》もないむかしの思出に人をいざなうことがある。死んだ友達の
遺著など、あわてて取出し、夜のふけわたるまで読み耽けるのも、こんな時である。 ....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
と礼法とを学びに通ったのはこの折であった。マダム、シュールは巴里《パリ》で亡夫の
遺著を出版するについて至急な用事が出来たので、四、五日前またもや日本に来て、帝国....
「『日本石器時代提要』のこと」より 著者:中谷宇吉郎
常に労が多くて、しかも世間的には、功の現われない仕事である。普通は門下生が恩師の
遺著について行うことが、稀《ま》れにあるという程度の話である。 梅原教授のよう....