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遺言状
「遺言状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遺言状の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
歩み寄ると、怒鳴《どな》りつけるようにマッグに話しかけました。
「それはトックの
遺言状《ゆいごんじょう》ですか?」
「いや、最後に書いていた詩です。」
「詩?」....
「放送された遺言」より 著者:海野十三
も私がすこし気がふれてでもいるように思われることだろうが、私はしごくまじめでこの
遺言状を放送しているのである。――
遺言状の放送! 私自身すらそれがいかにもとっぴ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
も婚礼するとは云わぬ、婆は色々と夏子の機嫌を取り、遂に夏子を自分の相続人と定め、
遺言状へ自分の財産一切を夏子の物にすると書き入れた相だ、夏子は大層有難がって婆に....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
さすがに老練な口穽を掛けたけれども、真斎はいっこうに動ずる気色もなく、
「なに、
遺言状……ホホウ、これは初耳じゃ」と軽く受け流して、早くも冒頭から、熊城との間に....
「ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
調べるとね。じきに板のズレる所が分かって、鍵穴があったの。鍵は無論合うし、訳なく
遺言状が出たわ。奥さんでなければ開けられないので、あたしが枕頭に持って行って開け....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
ませんね。ひとつ兄貴と関係のある弁護士の間を聞き廻って下さいませんか。そうすれば
遺言状があるかも知れませんからね」 「戸籍面から見ると、あなたが相続されるのじゃ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
拠にもならず、結局は溺死ということで終わった。 アメリカ人とその妻は死んだ兄の
遺言状によって、その一人の孤児の後見人となった。そうして、その子供が死んだために....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
の宝石はどうなるのかしら?」 「あなたと、おねえさんたちのところへいくのですよ。
遺言状を見ました。あたしは。」 「まあ、うれしい。今、下さればいいのに。」 「今....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
おも語りつづけた。 「ずいぶん長い間、毎年わしはこの国へ来たものだが、まだ一度も
遺言状を作ろうなどと考えたことはない。もっとも、特にあとに残すようなものが何も無....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
う女だということで。情人というのは他でもない、花垣志津馬という武士なのだそうで。
遺言状だったのでございますよ。陸女の死ぬ時の
遺言状だったので。その陸女という女で....
「『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
て「科学大衆文芸」というものを興したが、そのときに書いたものである。そのときは『
遺言状放送』という題名であった。僕は翌昭和三年に、処女作の探偵小説『電気風呂の怪....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
よ。君はもうそんな危険から抜け出してもっと気楽な身分になりなさい。君の為に遺産の
遺言状まで書いて居るお爺さんさえ有る相じゃないか。早く巴里へ行ってそのお爺さんの....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
致事、但し初七日仏参之儀は都合に依り四十九日を当日と定め相延し可申事。 右者亡父
遺言状仮葬之翌日相開き一覧致候処本葬|云々之儀|有之候に付遺言を守り相営み不申候....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
てる。こりゃあマジメだよ、君が死ねばきっと墓石へ書いてやる。森に墓銘を書かせろと
遺言状に書いて置いてもイイ、」と真顔になっていった。 一度|冠を曲げたら容易に....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
消息を訊けませんでした。 夢のように十年が過ぎました。 伯父は脳溢血で突然、
遺言状も残さずに死にました。私の相続はまだ正式になってはいませんでした。遺産は全....