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遽然
「遽然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遽然の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「並木」より 著者:島崎藤村
の茶店へ入って来た。「やあ」という声は双方から一緒に出た。相川の周囲《まわり》は
遽然《にわかに》賑《にぎや》かに成った。 「原君、御紹介しましょう」と相川は青木....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
色な稲田の中に暗く動くさまが、それとなく分る。 汽笛が寂しく響いて聞えた。風は
遽然私の身にしみて来た。 「待ちろ待ちろ」 母の声がする。男の子はその側で、姉....
「家」より 著者:島崎藤村
流れる千曲川も見える。 夕立を帯びた雲の群は山の方角を指して松林の上を急いだ。
遽然ザアと降って来た。三吉は天主台近くにある茶屋の二階へ客を案内した。広い座敷へ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を認めて、 「あっ!」 と舌を捲き、その途端に、例によっての地団駄を踏みました。
遽然《きょぜん》として彼の平静の心を奪ったところに、物がある、動く物がある。 ....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
》わずかに五十|法《フラン》を余すとき、悩みに満ちた浅い眠りを続けているコン吉を
遽然《きょぜん》と揺り起すものあり。目覚めて見れば、これはまたにわかに活況を呈し....