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避ける
「避ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
避けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
と町家《ちょうか》のない土塀《どべい》続きになっていますから、たとい昼でも人目を
避けるには、一番|御誂《おあつら》えの場所なのですが、甚内はわたしを見ても、格別....
「河童」より 著者:芥川竜之介
を保ちながら、細い目をすさまじくかがやかせていました。僕は――僕ももちろん危険を
避けるためにトックを小楯《こだて》にとっていたものです。が、やはり好奇心に駆られ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
。」
女は涙を呑みながら、くるりと神父に背を向けたと思うと、毒風《どくふう》を
避ける人のようにさっさと堂外へ去ってしまった。瞠目《どうもく》した神父を残したまま。………
(大正十二年三月)....
「死後」より 著者:芥川竜之介
。僕は一つには睡眠を得るために、また一つには病的に良心の昂進《こうしん》するのを
避けるために〇・五|瓦《グラム》のアダリン錠を嚥《の》み、昏々とした眠りに沈んでしまった。……
(大正十四年九月)....
「早春」より 著者:芥川竜之介
められている。これは何も彼等の好みの病的だったためではない。ただ人目《ひとめ》を
避けるためにやむを得ずここを選んだのである。公園、カフェ、ステエション――それ等....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、逞《たく》ましい月毛《つきげ》の馬やらが、はっきりと浮び上って来た。彼は誘惑を
避けるように、思わず眼をつぶりながら、二三度頭を強く振った。が、眼を開けると彼の....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
気を裂《さ》いた。彼は思わず首を縮《ちぢ》めながら、砂埃《すなほこり》の立つのを
避けるためか、手巾《ハンカチ》に鼻を掩《おお》っていた、田口《たぐち》一等卒に声....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
なかったのに違いない。なぜと言えば、――
半三郎のまず警戒したのは同僚の疑惑を
避けることである。これは彼の苦心の中でも比較的楽な方《ほう》だったかも知れない。....
「或る女」より 著者:有島武郎
》って来て、湿気でたるんだ障子紙をそっとあおって通った。古藤は葉子の顔を見るのを
避けるように、そこらに散らばった服地や帽子などをながめ回して、なんと返答をしてい....
「或る女」より 著者:有島武郎
。見ていられないほどそれらの子供たちは悲しい姿に葉子の目に映った。葉子はそこから
避けるように足を返してまた税関のほうに歩み近づいた。監視課の事務所の前を来たり往....
「星座」より 著者:有島武郎
さんのお袋とおぬいさんとは、妹を連れてきたおたけさんと一かたまりになって、混雑を
避けるように待合室の外壁に身をよせて立っていた。西山さんはその人たちを見向こうと....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
を神にまで捏ねあげていたのだ。お前にはお前以外の力がお前に加わって、お前がそれを
避けるにもかかわらず、その力によって奮い起たなければならなかったような経験は一度....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
兆を示すものと信じられていた。こういう吉凶の前兆は必ず事実となって現われるもので
避けることは不可能であるが、しかし呪法や祈願や犠牲を捧げることによって幾分かその....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
たのであります。 四年余の持久戦争でしたが、十八世紀頃の持久戦争のように会戦を
避けることはなく決戦が連続して行なわれ、その間に自然に新兵器による新戦術が生まれ....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
るくらい透いでいるので、子家鴨は静かにそこからしのび入り、その晩はそこで暴風雨を
避ける事にしました。 この小屋には、一人の女と、一|匹の牡猫と、一|羽の牝鶏と....