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「避暑地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

避暑地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
村大尉《きむらたいい》のために書いたものだった。これも木村大尉その人とは毎日同じ避暑地からこの学校の所在地へ汽車の往復を共にしていたため、素直に哀悼《あいとう》....
お時儀」より 著者:芥川竜之介
のようにたちまちよみがえって来るのである。 このお嬢さんに遇《あ》ったのはある避暑地の停車場《ていしゃば》である。あるいはもっと厳密に云えば、あの停車場のプラ....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
ち》、――ある霜曇《しもぐも》りの朝だった。保吉は汽車を捉《とら》えるため、ある避暑地の町はずれを一生懸命に急いでいた。路の右は麦畑、左は汽車の線路のある二間ば....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
こが好《よ》いのだろう」と云った。 保吉《やすきち》はこのタウンゼンド氏と同じ避暑地《ひしょち》に住んでいたから、学校の往復にも同じ汽車に乗った。汽車はかれこ....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
モデルになり始めた。昼前から、麻川氏の部屋では大騒ぎだ。ああいう娘の存在は単調な避暑地の空気を溌剌とさせて呉れる。「荘ちゃん。」と娘に呼ばれて麻川氏も大はしゃぎ....
」より 著者:島崎藤村
一夏を送りたいと言って寄したは、三吉夫婦が住む町とは五里ばかり離れたところにある避暑地である。同じ山つづきの高原の上で、夏は人の集る場所である。 東京へ行った....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
は何かと言いながら年中行事の催物が続き、まだ巴里に実がある。此の後は季節が海岸の避暑地に移って巴里は殻になる。折角今年流行の夏帽子も冠ってその甲斐はない。彼等は....
外来語所感」より 著者:九鬼周造
」「雛人形セット」「呉服ソルド市」「今シーズン第一の名画」「愛とユーモアの明るい避暑地」「このチャンスを逃さず本日|只今申込まれよ」などと広告が出ているのを見る....
歯車」より 著者:芥川竜之介
一 レエン・コオト 僕は或知り人の結婚披露式につらなる為に鞄を一つ下げたまま、東海道の或停車場へその奥の避暑地から自動車を飛ばした。自動車の走る道の両がわは大抵松ばかり茂っていた。上り....
貞操問答」より 著者:菊池寛
だって、お友達は、みんな避暑に行ったと云って、こぼしていたんだが……」 「じゃ、避暑地へでも誘われたんじゃない。今日、出がけに、お小づかいを欲しがっていましたも....
深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
さんは言った。「いくら本人が行きたいと言ったところで、若い娘たちをむやみに海岸の避暑地なぞへ出してやられるものではありません。誰か相当の者が付いて行かなければな....
慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
薄ら寒い日なり。月末に近づきて各旅館の滞在客もおいおいに減ってゆく。いつもながら避暑地の初秋は侘しきもの也。午後四時ごろに再びお冬さんを訪ねんとて、二階の階子を....
鬼無菊」より 著者:北村四海
信州の戸隠山麓なる鬼無村という僻村は、避暑地として中々佳い土地である、自分は数年|前の夏のこと脚気の為め、保養がてらに....
舞子より須磨へ」より 著者:小川未明
で散歩している。二人は海を見て立止った。潮風が二人の袂と裾を飜している。流石に、避暑地に来たらしい感もした。 夕飯の時、女は海の方を見て『今日は、波が高い』と....
仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
て平地になった時には、そこに平凡な田舎村が現出せられた。駕籠のおろされた宿坊は、避暑地の下宿屋のようであった。 小売店で、高野山一覧を買い、直接に鯖を焼くにお....