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邪魔物
「邪魔物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
邪魔物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
老人の苦しみもがく姿を見るとそんな事は手もなく忘れてしまっていた。ひょっとすると
邪魔物扱いにされてあの老人は殺されてしまうかもしれない。あんな齢《とし》までこの....
「星座」より 著者:有島武郎
は、酒を飲みはじめた時から絶えず耳許《みみもと》に聞こえていたけれども、手ごわい
邪魔物がいて――熊のような奴だった、そいつは――がっきりと渡瀬を抱きとめた。渡瀬....
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
て歩いて行った。疲れて元気がなかった。雪に落ちこむ大きな防寒靴が、如何にも重く、
邪魔物のように感じられた。 雪は、時々、彼等の脛《すね》にまで達した。すべての....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
何でも給仕に金でも与えて、怪美人の素性を聞き糺して居たらしい、何だか余の顔を見て
邪魔物が来たと云う様な当惑の様子も見えたが給仕は更に構いなく「ハイお紺婆を殺した....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ので、今夜の明月が思いやられた。露はいつの間にか降りているらしく、この頃ではもう
邪魔物のように庭さきにほうり出されている二鉢の朝顔の枯れた葉が、薄白くきらきらと....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で来たのか、往来のまん中に屋根が落ちているやら、大木が倒れているやら、いろいろの
邪魔物が道を塞いでいるので、なかなか思うようには駈け出せません。重兵衛は裏手の田....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たが、その真相はこうであった。お菊は後妻で、ことし八つになる惣領息子をふだんから
邪魔物にしていた。世間によくある習いで、彼女はおそろしい継母根性からその惣領息子....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ッキリしていないので、その配属部隊の待遇がまちまちで、非常に優遇するのもあれば、
邪魔物扱いにするのもある。記者の方にも、おれは軍人でないから軍隊の拘束を受けない....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
旦那様に済まねえだ。済まねえだから、死なねえだ、死なねえうちは邪魔アするだ。この
邪魔物を殺さっしゃい、七十になる老夫だ。殺し惜くもねえでないか。さあ、やらっしゃ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
るのである) さて、ドクトル。君はわしとわしの運命とのあいだに多寡が氷ぐらいの
邪魔物があるからといって、わしがこの国を去られると思うかね。もし、あしたにも北風....
「兜」より 著者:岡本綺堂
具類と一緒にかの兜を買取って来たのである。その店はあまり武具を扱わないので、兜は
邪魔物のように店の隅に押込んであったのを、金兵衛がふと見付け出して、元値同様に引....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
が、実際よりも大きい噂を伝えられたものと判ったので、播磨はいよいよ失望した。今は
邪魔物の大身の槍を奴に担がせながら、水野を案内して屋敷へ帰る途中、いい知れない寂....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
女の眼前に差し出されて、行手の半分程も遮蔽して居るワルトンの顔を、彼女はさもさも
邪魔物のように自分の頭を下へ幾分下げて、左手の芝生を覗いた。 ――あら、此処、....
「審判」より 著者:カフカフランツ
った。それは洗濯していた例の女だが、現われたときすぐにKには、これこそまったくの
邪魔物だ、という気がしたのだった。今しがた音をたてた罪があるのはこの女か、この女....
「特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
初は世間から歓迎せられ、各地に移植されて、自然と生活も安易であったものが、後には
邪魔物にせられ、生活困難を来す事となったのである。これらの事情は別項「エタに対す....