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邸
「邸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
邸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
、日こそ違いますが二年|前《ぜん》にあの大地震のあった十月、いよいよ私はN家の本
邸で結婚式を挙げる事になりました。連日の心労に憔悴《しょうすい》し切った私が、花....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ると間もなく、親の代から住んでいる両国百本杭《りょうごくひゃっぽんぐい》の近くの
邸宅に、気の利《き》いた西洋風の書斎を新築して、かなり贅沢《ぜいたく》な暮しをし....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
う》は若い奥さんなのです。外交官の夫人なのです。勿論東京の山《やま》の手《て》の
邸宅《ていたく》に住んでいるのですね。背《せい》のすらりとした、ものごしの優しい....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
中旬、品川|伊佐羅子《いさらご》の上屋敷《かみやしき》が、火事で焼けた。これは、
邸内に妙見《みょうけん》大菩薩があって、その神前の水吹石《みずふきいし》と云う石....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
這入って行った。農場の事務所から想像していたのとは話にならないほどちがった宏大な
邸宅だった。敷台を上る時に、彼れはつまごを脱いでから、我れにもなく手拭《てぬぐい....
「橋」より 著者:池谷信三郎
匂いが漂ってきた。松の花粉を浴びた女学生の一群が、ゆえもなく興奮しきって、大きな
邸宅の塀の下を、明るく笑いながら帰って行った。もう春だわね、と言ってそのうちの一....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
七日のあいだ、他の人々のところへ招かれて行った。 ラザルスが一人の享楽主義者の
邸へ招かれたとき、主人公は大いに笑いながら彼を迎えた。 「さあ、一杯やれ、ラザル....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
この夏はの、そのお子がさる立派な学校へ入らっしゃるようになったに就いて、先生様は
邸を出て、自分の身体になりたいといわっしゃる。 それまで受けた恩があれば、お客....
「初雪」より 著者:秋田滋
で、一時だって体があったまったことがありゃアしないんですのよ」 良人は、自分の
邸に煖房を据えつけようなどと云う突飛な妻の言葉を聞くと、しばらくは唖然としていた....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
クトリア女王はロンドン郊外ハンプトンコートの離宮の近くで緑の野原の見える小さな一
邸をファラデーに賜わった。ファラデーは初めには御受けを躊躇した。これは家の修理等....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
たから、それほど男の心を誘うような女はたちまち彼の気に入り、特に彼が彼女の両親の
邸を訪ねてからそれが強くなったことにふしぎはあるまい。ボールタス・ヴァン・タッセ....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
ものにして、彼等の言を聞けば、政府にて決答を躊躇するときは軍艦より先ず高輪の薩州
邸を砲撃し、更らに浜御殿を占領して此処より大城に向て砲火を開き、江戸市街を焼打に....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
ろう。その晩、私は気が晴々して、気分も好く、若やいでいた。そして、その晩を知事の
邸で過ごした。私は機知に富む男だと讃められた。 だが、私は血を見なかったのだっ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
は眩く輝きぬ。処は相州東鎌倉雪の下村……番地の家は、昔|何某とかやいえりし大名|
邸の旧跡なるを、今は赤城得三が住家とせり。 門札を見て、「フム此家だな。と門前....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
うなことを述べたのであるが、これは緒方大将を少々驚かしたらしく数年後、陸軍大臣官
邸で同大将にお目にかかったとき、特に御挨拶があった。大正十四年秋、シベリヤ経由で....