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郷
「郷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
郷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
した或女のことを思い出した。彼女はパリに住んでいるうちにだんだん烈《はげ》しい懐
郷病に落ちこみ、夫の友だちが帰朝するのを幸い、一しょに船へ乗りこむことにした。長....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
長ながとクッションの上に仰向《あおむ》けになった。するとたちまち思い出したのは本
郷《ほんごう》のある雑誌社である。この雑誌社は一月《ひとつき》ばかり前に寄稿を依....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
―そう云う思い出はいつのまにか、この紅毛《こうもう》の沙門《しゃもん》の心へ、懐
郷《かいきょう》の悲しみを運んで来た。彼はその悲しみを払うために、そっと泥烏須《....
「河童」より 著者:芥川竜之介
たい」のではありません。「帰りたい」と思い出したのです。河童の国は当時の僕には故
郷のように感ぜられましたから。
僕はそっと家《うち》を脱け出し、中央線の汽車へ....
「彼」より 著者:芥川竜之介
した。彼の名前などは言わずとも好《い》い。彼は叔父《おじ》さんの家を出てから、本
郷《ほんごう》のある印刷屋の二階の六畳に間借《まが》りをしていた。階下の輪転機《....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
た時、二人の心には云い合せたように、悲壮な感激が催された。考えて見れば一行は、故
郷の熊本を後にしてから、ちょうどこれで旅の空に四度目の夏を迎えるのであった。
....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
足が、そのために、少しでも損ぜられる事なぞはないのである。
そこで、斉広は、本
郷《ほんごう》の屋敷へ帰ると、近習《きんじゅ》の侍に向って、愉快そうにこう云った....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
あわただしく、動いている自分の心をも、ちょうど、長旅に出た巡礼が、ようやくまた故
郷の土を踏んだ時のような、さびしい、自由な、なつかしさに、とかしてくれる。大川の....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
《まっと》うしようと思う。もっとも後《のち》になって聞けば、これは「本間さんの西
郷隆盛《さいごうたかもり》」と云って、友人間には有名な話の一つだそうである。して....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
それが男は、たいてい、うすぎたない日本の浴衣《ゆかた》をひっかけている。いつか本
郷座《ほんごうざ》へ出た連中であるが、こうして日のかんかん照りつける甲板に、だら....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
、姿を下駄音と共に消すのも、満更厭な気ばかり起させる訳でもない。 私も嘗て、本
郷なる何某と云うレストランに、久米とマンハッタン・カクテルに酔いて、その生活の放....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
父の名誉、伯父の面目、予のためには三条の町の町幅も狭きようにて、この所ばかりか近
郷の褒め草。ある時、県令学校を巡廻あり。予が講義を聴かれて「天晴慧しき子かな、こ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
けがえのないコットン・マザーの著書からいろいろと抜萃し、またそれに加えて、生れ故
郷のコネティカット州でおこった事件をたくさん話したり、彼が夜ごとにスリーピー・ホ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
知る者もなかった。当の息子のジャンにしたところが、今ではもう自分の名前も、生れ故
郷の村の名も忘れてしまっているに違いない。我が子にめぐり会えるという望みもはや絶....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
に、サンザン首をひねらしたものである。 それから半歳も過ぎた頃、筆者はたまたま
郷里博多へ帰っていた。旅行好きの次兵衛がひょっこり旅から帰って来て、「おい、夢野....