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郷里
「郷里〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
郷里の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
様にはまだ内地は Virgin《ヴァージン》 soil《ソイル》 なんだな。
「
郷里にもちょっと寄ったがね、おやじもおふくろも、額の皺が五六本ふえて少ししなびた....
「弓町より」より 著者:石川啄木
ったものであるのはむろんである。 二十歳の時、私の境遇には非常な変動が起った。
郷里《くに》に帰るということと結婚という事件とともに、何の財産なき一家の糊口《こ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
な態度を見るにつけ、私にはすべてが恐ろしかった。私は黙っていた。 「僕はそのうち
郷里に――
郷里は岩内です――帰ります。岩内のそばに硫黄を掘り出している所があるん....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
い。そこで次にほぼ疑問の形においてこれらの問題を提出しておきたいと思う。 私の
郷里は四国であって比較的癩患者の多い地方である。そしてその大部分は浮游癩というか....
「故郷」より 著者:井上紅梅
上の四角な空ばかり眺めていたのだから。 惜しいかな、正月は過ぎ去り、閏土は彼の
郷里に帰ることになった。わたしは大哭きに哭いた。閏土もまた泣き出し、台所に隠れて....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
い寂しさを感じた。 神戸で見た活動写真の記憶は以上で尽きる。 八歳のとき私は
郷里の松山へ帰つた。そしてそこで十八の春まですごした。 松山に常設館というもの....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
舎におけるトーキーはときに沈黙の美徳を発揮する。 私の関係して作つたトーキーが
郷里の地方へ廻つていつたが何をいつているのかまつたくわからなかつたという報告がき....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
に、サンザン首をひねらしたものである。 それから半歳も過ぎた頃、筆者はたまたま
郷里博多へ帰っていた。旅行好きの次兵衛がひょっこり旅から帰って来て、「おい、夢野....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
、あまつさえその美しいぬしを視たのであるから。 町を行くにも、気の怯けるまで、
郷里にうらぶれた渠が身に、――誰も知るまい、――ただ一人、秘密の境を探り得たのは....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
ならねばならぬというのであった。 その年即ち二十七年、田舎で窮していた頃、ふと
郷里の新聞を見た。勿論金を出して新聞を購読するような余裕はない時代であるから、新....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
入っては自然に背く、という哲人であったんですから、つい近間へも寄らずにいました。
郷里――秋田から微禄した織物屋の息子ですが、どう間違えたか、弟子になりたい決心で....
「妖怪学」より 著者:井上円了
るなり。 東京にありし夢 四十二種(うち八種は大学にありしときの夢なり)
郷里にありし夢 十五種 西京にありし夢 二種 熱海にありし....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
の「湾妻」や「満妻」を持つような気分になってしまった。当時の成上りの田舎侍どもが
郷里の糟糠の妻を忘れた新らしい婢妾は権妻と称されて紳士の一資格となり、権妻を度々....
「西航日録」より 著者:井上円了
ツ北部の一大都会たるケーニヒスベルクに着し、ここに一泊す。当地は碩学カント先生の
郷里なり。翌八日午前、まず大学前の公園に至り、カント先生の銅像に拝詣し、つぎに古....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
しもする荷車を引いて天下茶屋の牧場へ売りにいった。地道な生活だった。 ある日、
郷里で県会議員をやっている兄が、山高帽などをかぶり、大きな顔をしてやってきた。弟....