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都合
「都合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
都合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
、ノオト・ブックを買うことにしたり、学友会の会費を出すことにしたり、――あらゆる
都合の好い口実のもとに父母の金銭を盗もうとした。それでもまだ金の足りない時には巧....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
那と云う国籍だけはほとんど有無《うむ》を問《と》われないだけに、頗《すこぶ》る好
都合《こうつごう》に出来上っている。君はまだ高等学校にいた時、僕に「さまよえる猶....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
た実直な男で、その時右の手の指を痛めて、筆を持つ事が出来なかったのである。「万事
都合よく運んだからその中にゆく。」と書いてくれと云うので、その通り書いてやった。....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
根気よく眺めているのです。私『ところで釣にはいつ出かけよう。』三浦『いつでも君の
都合《つごう》の好い時にしてくれ給え。』私『じゃ僕の方から手紙を出す事にしよう。....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
代りになると云う事は、果して夫を愛しているからだろうか。いや、いや、私はそう云う
都合《つごう》の好い口実の後《うしろ》で、あの人に体を任かした私の罪の償《つぐの....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
し》に、まだ何か発表しない原稿があるかも知れません。
編輯者 そうすると非常に好
都合ですが――
小説家 (机の抽斗を探しながら)論文ではいけないでしょうね。
編....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
その言葉も聞えないように、鉄瓶のぬるんだのを気にしていた。
「そいつはなおさら好
都合だ。――どうです? お蓮さん。その内に一つなりを変えて、御酌を願おうじゃあり....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
は出て来るのです。……ざっと筋を話して見ましょうか?
主筆 そうして頂ければ好
都合《こうつごう》です。
保吉 女主人公《じょしゅじんこう》は若い奥さんなので....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
も常に生を孕《はら》んでいる。光を失ったヘラクレス星群も無辺の天をさまよう内に、
都合の好い機会を得さえすれば、一団の星雲と変化するであろう。そうすれば又新しい星....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
えたら、苦笑《くしょう》せずにはいられなかった。山門や源氏《げんじ》の侍どもに、
都合《つごう》の好《い》い議論を拵《こしら》えるのは、西光法師《さいこうほうし》....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
を感じていた。のみならず「君は『ジンゲジ』にしろよ。僕はあいつにするから」などと
都合《つごう》の好《い》いことを主張していた。
「そこを彼女のためにはいって来い....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
り列車に乗ったのはもう日暮に近い頃だった。僕はいつも二等に乗っていた。が、何かの
都合上、その時は三等に乗ることにした。 汽車の中は可也こみ合っていた。しかも僕....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
り返答をしずにいました。 「この不孝者めが。その方は父母が苦しんでも、その方さえ
都合が好ければ、好いと思っているのだな」 閻魔大王は森羅殿も崩れる程、凄じい声....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
陸との交通がまだ少ない時代であったから、外国の学者に知り合いの出来たことは非常に
都合が好く、自分の研究を大陸に知らせるにも非常な便宜を得た。ことにフランスではア....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ぶら散歩しながら、娘を口説くのだった。この時刻は恋人が雄弁をふるうのにいちばん好
都合なのである。 どうすれば女を口説きおとすことができるか、わたしは知らない。....