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「都落ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

都落ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
男女同権」より 著者:太宰治
これは十年ほど前から単身都落ちして、或《あ》る片田舎《かたいなか》に定住している老詩人が、所謂《いわゆる....
」より 著者:ゴーゴリニコライ
の時からして、あんな図々しい態度をとったほどであるから、いい潮時を見て、まんまと都落ちをしてしまうかもしれない。もしそうなったら、あらゆる捜査も水の泡だ、水の泡....
菜の花」より 著者:小島烏水
がら「亡び行く生物」の中に、この菜の花が、次第に加わるのではなかろうか、それとも都落ちの仲間に入って、次第に我等の付近から、影を隠してしまうのではあるまいか、場....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
れないのを恥じて百姓の鍬や鎌を打つという変わり方だ。一流の家元と言われた能役者が都落ちをして、旅の芸人の中にまじるということも不思議はなかった。これらが何を意味....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
月二十九日 都も鄙も押なべて白妙を被る風雪の夕 武蔵野粕谷の里にて 徳冨健次郎都落ちの手帳から 千歳村 一 明治三十九年の十一....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
若い学生の恋人が出来ていた。 「私はいよいよ決心したのよ、今晩これから一寸遠くへ都落ちするつもりで、実は貴女の顔を見に来たの。」 こんなにも純情なお君さんがう....
十二支考」より 著者:南方熊楠
、その子孫代々男女とも父の氏を称せず母の氏で押し通したんだ。『東鑑』文治元年義経都落ちの条に、昔常盤御前が操を破りて清盛に事《つか》え娘を設けたは三子の命乞い故....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
その宝の形が一向はっきりしないのさ。とにかくそれは、イギリス政府が英本土を捨てて都落ちをする際、使用することになっている暗号の鍵なんだ。それが、あのゼルシー城塞....
猫の草紙」より 著者:楠山正雄
んなでそろって和尚さんの所へ行くことはよそう。そして夜の明けないうちに、いよいよ都落ちをして、田舎へ行くことにしよう。」 だれが言い出すともなく、年を取ったね....
微笑」より 著者:豊島与志雄
られたような形になって無情を感じたわけですよ。」 「そして私のように、S――まで都落ちですか。」 「ははは、都落ちとはうまく云ったものですね。」 そして私達は....
雪の宿り」より 著者:神西清
い御|嘲弄であったらしく、真蘂西堂は前の年の九月に伊勢殿と御一緒にあさましい姿で都落ちをされたなりであったのでございます。ちょっと潜かに上洛されたような噂もあり....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
へんしゅう》していた川口松太郎君が執筆したものだった。この年の九月、すなわち私の都落ちの直前、読売新聞社からは社会部の記者が写真斑同行でやってきて記事を取り、間....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
皺をきざませた。 「本庄采女……。どのような奴であったかのう。おお、思い出した。都落ちの平家の公達を見るような、なま白けた面の若侍であろうが……。かやつが妹と不....
呪われの家」より 著者:小酒井不木
つかぬ夜分を選んで居ました。妹を殺してから二人は別々の道をとおって飯田町に落合い都落ちをするつもりだったので御座います。 愈よ三人は小石川指ヶ谷町のあの坂の上....
或る少女の死まで」より 著者:室生犀星
しつけた。ひくい忍び泣きをあげながら――。 明治四十四年十月三日、私は第一回の都落ちをした。越えて十二月、父なる山元椿荘氏から一封の手紙をうけとった。ひらくと....