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「都電〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

都電の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
乞食学生」より 著者:太宰治
ないか、と少年に問い、渋谷に、ひとりいるという答を得て、ただちに吉祥寺駅から、帝都電鉄に乗り、渋谷に着いた。私は少し狂っていたようである。 神宮通りをすたこら....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
るとあり、気を揉んでいる様子が見えるようだ。きょう手紙にて激励をして置いた。 ◯都電運転系統は現在左の通り動いている。 △品川→日本橋 △三田→日比谷 △目黒→....
播州平野」より 著者:宮本百合子
くおいで下さい」 ひろ子の住居から裁判所までは一時間かかった。歩いて、それから都電にのって、また歩いて、その間にかかる時間は、ちぢめようにもほかにてだてはない....
春桃」より 著者:宮本百合子
がす心と眼とは、駄本の列の上に憤りをもって走ったのであった。 そういう時期に、都電が故障した偶然から、神明町のわきの本屋へ入った。何心なく見まわしていたら、「....
幸福のために」より 著者:宮本百合子
三倍に上りました。勤めにゆくため、学校へゆくため、是非乗らなければならない省線、都電、バスなど、交通費もみんな三倍になりました。今の配給だけで、やって行ける家庭....
モラトリアム質疑」より 著者:宮本百合子
需品に対してそういう手当をする政府は、つい先頃、国鉄運賃大幅値上げをした。省線・都電の運賃値上げをして、地域によっては出もしないガス六倍、水道十二倍にすると云っ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
円平均よ、リヤカー一台が。 東京周辺の街道をゆく荷物車はどの位夥しいでしょう、都電の停留場に待っている間だけでも、三四台荷物をつんだ車を見ます。わたしの一見貧....
白蛾」より 著者:豊島与志雄
定かでありません。彼自ら気がついてみると、彼女を方々で見かけたようでした。町角や都電停留場や店先や焼け跡の木蔭でなどで、或はその瞼の大きなふくらみを眺め、或はそ....
母の上京」より 著者:坂口安吾
居を突きとめたのだか、母の一念を考へて、ゾッとするほどの気持であつた。 夏川が都電を降りると、ヒロシが近づいてきて、ナアさん、お帰りなさいまし、と言ふ。そして....
吝嗇神の宿」より 著者:坂口安吾
宿のような酒場も点在しているから深夜や未明に歩いてもフシギがられもしない。国電、都電にも近く、ドロボー君のアジトとしては日本有数の好点。 「この階段をこうトント....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ころは、なんでもない。上野ジャングルはそんなところにはないのである。 山下から都電が岐れて、一本は池の方へまがろうとするところに共同便所がある。 「あの便所が....
春雪」より 著者:久生十蘭
日も、休まずに、もう三週間もつづいているんですがねえ」 柚子は麻布霞町の家から都電で品川まで来て、川崎行のバスに乗るから、当然、大森海岸で降りるわけで、これに....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
三原橋の近くまで来ると、エンジンをかけたまま十字路の角でパークし、運転手が、都電の線路ごしに、築地のほうから木挽町《こびきちょう》の通りへはいってくる車を、....
夜の構図」より 著者:織田作之助
せんか」 そして、四階の自分の部屋へ上って、支度をすると、東京劇場へ出掛けた。都電に乗ると、隣に坐っていた男が、 「やあ、暫らく……」 と、声を掛けた。 ....
旅への誘い」より 著者:織田作之助
週間のちのことであった。早朝大阪を発ち、東京駅に着いたのは、もう黄昏刻であった。都電に乗ろうとして、姉の遺骨を入れた鞄を下げたまま駅前の広場を横切ろうとすると、....