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酌む
「酌む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
酌むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家」より 著者:島崎藤村
石に倚凭った。満洲の方の噂が出た。三吉は思いやるように、 「両雄相会して、酒でも
酌むような時には――さぞ感慨に堪えないことだろうナ」 正太も思いやるような眼付....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
かに何もない宇宙! お前は、 追い立てるのになぜ連れて来たのか? まだ来ぬ旅人も
酌む酒の苦さを知ったら、 誰がこんな宿へなど来るものか! 29 おお、七と四....
「骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
来て、そこここに部落を作っておったものじゃそうな。藤六はやっぱりその山窩の流れを
酌む者じゃったに違わんと校長は云いおったがのう。吾輩は元来、山窩という奴を虫が好....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
て相惜むの別離に非ず、これ永く相別るるなり。この草紙の終りにのぞみて読者と共に相
酌むの酒はこれ再び相見ざるの盃なり」「別離の情は懐旧の情なり」「複雑なる泰西の文....
「半日ある記」より 著者:寺田寅彦
。その隣に楽焼の都鳥など売る店あり。これに続く茶店二、三。前に夕顔棚ありて下に酒
酌む自転車乗りの一隊、見るから殺風景なり。その前は一面の秋草原。芒の蓬々たるあれ....
「田園の幻」より 著者:豊島与志雄
つもりなのである。 彼の父の宗吉と私は、その晩、八幡様には行かないで、家で一献
酌むことにしていた。お祭りといっても、特別な催し物があるわけではなく、飲んだり食....
「多神教」より 著者:泉鏡花
柄杓を抜取る)この世の中に、馬柄杓などを何で持つ。それ、それこのためじゃ。(酒を
酌む)ととととと。(かつ面を脱ぐ)おっとあるわい。きゃッきゃッきゃッ。仕丁めが酒....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
おけ! 酒肴の用意手早くいたせよ! よいか! 明日は卍丸の船出ゆえに、別れの宴を
酌むのである」 晴々としていいつけた。 白々とした粉黛の顔に、パッと桃色の灯....
「三国志」より 著者:吉川英治
しがみついていては、父に寝ろ寝ろといって叱られたことである。本来、三国志の真味を
酌むにはこの原書を読むに如くはないのであるが、今日の読者にその難渋は耐え得ぬこと....
「三国志」より 著者:吉川英治
も察するがいい。蜀の諸将と軍力をよく観て」 楊儀は沈黙した。そして孔明の意中を
酌むにつけ断腸の思いがあった。連戦多年、蜀軍の将星は相次いで墜ち、用いるに足る勇....
「八寒道中」より 著者:吉川英治
られてくるのだ。音色に鬼韻のあるのは好ましいとさえ思うが、八寒嘯という銘の意味を
酌むと、なにもかも白い氷に凍てている天地が想像されてならない。 そのくせ、当の....
「旗岡巡査」より 著者:吉川英治
信するなよ。これからは、身を大事にしてくれ……。さ、何処で飲もうか」 「同じ酒を
酌むなら、どこか、広濶な天地へ出て酌みましょう。湿々した谷間にかくれていたので、....
「山の人生」より 著者:柳田国男
、明瞭に現れていたことである。しかもしばしば不幸なる誤解があって、人がその真意を
酌むことをえない場合がいかにも多かった。 『東武談叢』その他の聞書に見えているの....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
吉は、小宴を催して、 「この陣中にも、何もなくなって来たが、壺酒乏しければ風趣を
酌むじゃ。久しぶり水入らずで――」 と、主従三名、鼎座になって、夜の更くるまで....
「濞かみ浪人」より 著者:吉川英治
、ちと早かった』 『ちょうどよいではないか。数右衛門の行を祝って、どこかで別盃を
酌むには』 近くの磯茶屋で、そのまま歓送の宴が張られた。遅れ走せに見送りに来た....