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配色
「配色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
配色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
ら生えた蔦が次第にくすみ行く赤煉瓦の壁を取り巻き、平地の草の色をこの棲家の上にも
配色すると、大地に根を下ろした大巌のように一種の威容を見せて来た。 正面の石段....
「雑沓」より 著者:宮本百合子
る。デスクから目をあげた時いい位置ではあるが、宏子にはその絵の灰色と淡い黄と朱の
配色が寂しく思われた。 「その絵だれの?」 「さあ、よく分らないけれど和訓さんの....
「道標」より 著者:宮本百合子
ン色の濃淡であっさりとウクライナ風の模様が縫いとりされているパンテイ。どれもいい
配色だし、手ぎわがよかった。伸子は、枕に背をもたせて起きあがっているベッドの上に....
「伸子」より 著者:宮本百合子
飛んでいる鳥の形、しかもそれらを彩るたっぷりした釉薬の黄、紫、緑、碧の見覚えある
配色に至るまで、寧楽朝《ならちょう》の美術を回想させずには置かないものがある。 ....
「衣服と婦人の生活」より 著者:宮本百合子
センス(感覚)ということがよくいわれる。服装についてセンスというのは、ただ単純に
配色、アクセントなどについてだけ語られるものだろうか。そうは思えない。やつれた体....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
て花鳥をえがき、それに対する他の一方は素地の清徹をそのまま残して、花鳥の花やかな
配色と対照させているのがよくある。ちょうどそのように柿の実の紅玉を見て楽むにも、....
「一九二七年春より」より 著者:宮本百合子
れに氷河のような雪溪がながれ下って居る。 ○枯木雪につつまれた山肌 茶と色との
配色 然し女性的な結晶のこまかさというようなものあり ○山と盆地 ○下日部辺....
「一九二七年八月より」より 著者:宮本百合子
く見るとうるしの刷目のようなむらさえ頭や翅にあり、一寸緑色がぼやけて居るあたりの
配色の美、 田舎の寺の和尚・宗匠 何でも云いたいことを十七字につめ....
「一九二九年一月――二月」より 著者:宮本百合子
それっきり? ――それっきり。 「知られざる日本」という自著をくれた。紺と黄との
配色。自動車、蓑笠の人物、工場の煙突、それらの上空には飛行機のとんで居る模様だ。....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ようともしなかったものです。日本の家とよくつり合う、東洋風のうす茶、碧、黄、白の
配色で本当にきれいです。三畳ぐらいの大さ。寿江子がスケッチ、エハガキにしてくれま....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
、緑の色がいかにも新鮮で、画面は梢の緑、土の柔かい茶、家の灰色というさっぱりした
配色です。ねだんはまだ不明。この頃いい絵が見たくて。すこし暇になったら上野の博物....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
るのもないではないが、しかし簡単な花鳥の小品などを見ても一見何らの奇もないような
配色の中に到底在来の南画家の考え及ばないと思われる創見的な点を発見する事が出来る....
「日記」より 著者:宮本百合子
囲に胡粉を細く残して内側だけ紫や淡緑、紅などで塗こめる手段。金、碧、深紅の大胆な
配色法。支那、日本の奈良朝時代、皆共通の流れを持って居る。メトロポリタン美物館に....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
来て、それをいろいろな絵具で塗り附ける。枝珊瑚などは紅の方でも際立ったもの、その
配色の工合で生かして綺麗に景色の好いものとなる。この方は夏の中から拵えますが、熊....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
まぶね》の苫の黄《きいろ》きを配したる等、極めて簡単|明瞭《めいりょう》なるその
配色はこれがためにかへつて看るものをして自由に時間と空気と光線の感覚を催さしむる....