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「酒楼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

酒楼の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
《おさま》らず、酒と女とに身を持崩《もちくず》していたが、去る――日《にち》、某酒楼にて飲み仲間の誰彼と口論し、遂に掴《つか》み合いの喧嘩となりたる末、頸部に重....
河明り」より 著者:岡本かの子
話した。 今までいた宴会の趣旨の船の新造卸しから連想するためか、水の上の人々が酒楼に上ったときの話が多かった。 船に乗りつけている人々はどんなに気取っても歩....
観画談」より 著者:幸田露伴
岨もあれば、明るい花に埋められた谷もあって、それからずっと岸の方は平らに開けて、酒楼の綺麗なのも幾戸かあり、士女老幼、騎馬の人、閑歩の人、生計にいそしんでいる負....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
六歳ばかりの当時の水戸の少年だ。 二階がある。座敷がある。酒が置いてある。その酒楼の二階座敷の手摺には、鎗ぶすまを造って下からずらりと突き出した数十本の抜き身....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
される、諸商い物を買い求めたり小屋物等を見物したりすることも許される、しかし茶屋酒楼等へひそかに越すことは許されない。夜分の外出は差し留められる事、宮方へ行き合....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
手に交渉するのであるから、その事なき平素から留守居は時々番頭に贈物をしたり、また酒楼へ連れて行ったりして、機嫌を取るに汲々としていた。因《よっ》て金貸の豪商に対....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
廻った。 こうしていつか月も経ち夾竹桃や千日紅が真っ赤に咲くような季節となり、酒楼で唄う歌妓の声がかえって眠気を誘うような真夏の気候となってしまった。 張教....
酒渇記」より 著者:佐藤垢石
られた父は幸福であった。 いま時、一升十五銭などという安い酒は思いもよらない。酒楼に上がれば、一合三、四勺入りの徳利を二合入りと称して、一本七十銭から八十銭と....
円朝花火」より 著者:正岡容
紫と塗られていく。万八、河長、梅川、亀清、柳屋、柏屋、青柏、大中村と、庇を連ねた酒楼《おちゃや》でも、大川筋へ張り出した桟敷《さじき》へ、柳橋芸者に綺麗《きら》....
向嶋」より 著者:永井荷風
とが知られる。 川口屋の女主《おんなあるじ》お直というは吉原の芸妓であったが、酒楼川口屋を開いて後天保七年に隅田堤に楓樹を植えて秋もなお春日桜花の時節の如くに....
申訳」より 著者:永井荷風
バ徒ニ纏頭ヲ他隊ノ婢ニ投ジテ而モ終宵阿嬌ノ玉顔ヲ拝スルノ機ヲ失スト云。是ニ於テヤ酒楼ノ情況宛然妓院ニ似タルモノアリ。予復問フテ曰ク卿等女給サンノ前身ハ何ゾヤ。聞....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ような顔して眺めていた。 怪しげな白粉の裏町である。又八としては、もっと高等な酒楼へ案内するつもりだったが、赤壁八十馬が、 「そんなところへ揚がって、つまらぬ....