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「酒癖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

酒癖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
だん》を云っては、お蓮の顔を覗《のぞ》きこむと、突然大声に笑い出すのが、この男の酒癖《さけくせ》の一つだった。 「いかがですな。お蓮の方《かた》、東京も満更《ま....
老年」より 著者:芥川竜之介
玄米《くろごめ》問屋の身上《しんじょう》をすってしまい、器用貧乏と、持ったが病の酒癖とで、歌沢の師匠もやれば俳諧の点者《てんじゃ》もやると云う具合に、それからそ....
星座」より 著者:有島武郎
さんの気息はいつものように酒くさかった。飲んだばかりの酒の匂いではなく、常習的な酒癖のために、体臭になったかと思われるような匂いだった。おぬいはそのすえたような....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
よっ》ぱらったって親の腹へ乗る者ア無《ね》えぞ呆れた、酒は飲むなよ好《よ》くねえ酒癖だから廃《よ》せというに聴かねえで酔ぱらっては帰《けえ》って来《き》やアがっ....
黒猫」より 著者:佐々木直次郎
しみはこんなぐあいにして数年間つづいたが、そのあいだに私の気質や性格は一般に――酒癖という悪鬼のために――急激に悪いほうへ(白状するのも恥ずかしいが)変ってしま....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
はかなり不遇な月日を送ったらしい。率先した横浜貿易があの旧師に祟った上に、磊落な酒癖から、松尾の子息ともよくけんかしたなぞという旧い話も残っていた。 「伊勢の方....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
本郷丸山の本妙寺長屋へ浪人していました処、私の兄澤田右衞門が物堅い気質で、左様な酒癖あしき者に連添うているよりは、離縁を取って国へ帰れと押て迫られ、兄の云うに是....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、とうとう自分の家を飛び出して、神田の吉五郎という岡っ引の子分になった。吉五郎は酒癖のよくない男であったが、子分たちに対しては親切に面倒を見てくれた。半七は一年....
遺言」より 著者:国木田独歩
の厳粛なるは、まだ十二分に酔っていないらしい。中央に構えていた一人の水兵、これは酒癖のあまりよくないながら仕事はよくやるので士官の受けのよい奴、それが今おもしろ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
してやり、四人で白山上のハゲ蛸という馬肉屋へ行って飲食した。時田は非常に秀才だが酒癖が悪くて、酔うと前後不覚になって喧嘩口論、手荒なことをやる奴だ。昨日もそうさ....
村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
郎が、一人ヤキモキ気を揉んで、殿へ取りなし致し居る由、しかるに殿にはご明君なれど酒癖あってご癇癖。自然いつもご機嫌悪く、申し出る機会がないとのこと、再三金三郎よ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
イとのっけ、楊子で前歯をせせり出した。 2 (ご機嫌が悪いぞ、あぶないあぶない)酒癖の悪いのを承知の一同、あぶないあぶないと警戒するように、互いに顔を見合わせた....
人生三つの愉しみ」より 著者:坂口安吾
、又酒をのめばそんなものは吹きとぶではないか。そう思われていたに相違ない。彼らの酒癖が健全だったのではなく、酒の害を知らない故に、大らかに見えるだけなのである。....
役者の一生」より 著者:折口信夫
女形はまず第一に口うるさいのは例外なしで、喧嘩早い者がいる、意地の悪い奴がいる、酒癖の悪いのがいるといったあんばいで、ねちねちした女としての悪さも兼ねている。そ....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
の所行も、やにわに日本刀を引抜いて振り廻して見せるというふうだったし、酔うとまた酒癖が悪かった。札幌で僕が紹介した料理屋だがね。寝ていて叩いても起きなかったんだ....