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「酒精〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

酒精の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
運命論者」より 著者:国木田独歩
》がう暗い蔭《かげ》のないのが僕の気に入ったからです。此処《ここ》へ身を横たえて酒精《アルコール》の力に身を托《たく》し高い大空を仰いで居る間は、僕の心が幾何《....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
が触れた。勇躍。 「ヤッ!」 と飛びかかった。 「無念!」 ひっぱずされて(酒精の祟りもあって)身体が宙にクルリと一回転した揚句、イヤというほど腰骨をうちつ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
層がない。ともあれ……やつらを燃やしてみることにした。 さいしょ、口腔に固形|酒精をいれて、それに火をつけた。まもなく火が脳のほうへまわって眼球が燃えだした。....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
蔑した。 親爺の竹三郎は、その軽蔑を受ける人間の一人だった。 彼は、煙槍と、酒精ランプと、第三号がなければ生きて行かれなかった。彼は、一日に一度は必ず麻酔薬....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
た。ぼんやりふところ手して迷児のように毎日のように郊外をうろついたこともあった。酒精にたるんだ瞳に深夜の星の寒い光をしみこませて、電信柱を抱いて慟哭したこともあ....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
上に瓶がある。瓶も……四つ五つ並んでいたろう。内の医師が手にかけたという、嬰児の酒精に浸けたのが、茶色に紫がかって、黄色い膚に褐斑の汚点が着いて、ぐたりとなって....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
えんでね。あの医者は馬鹿だよ、ほんとに。もしラムを少しも飲まなけれぁ、ジム、己は酒精中毒が起るよ。もう少しは起ってるのだ。己にゃあその隅に、お前の後に、フリント....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
とんでもない過失をおかしてしまったのです。 と云うのは、寒さに耐えられず嚥んだ酒精というのが木精まじりだったのですから、せっかく引き揚げられたにもかかわらずあ....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
笙に仕掛を施して、その後に、玉幡を切り落してから階下へ下りたのだがね。所で君は、酒精寒暖計を知っているかね――細い管中の酒精が熱で膨脹すると云うのを。つまり犯人....
詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
沈み降り行く 見よその蒼色忽然として色を染め 金紅色の日の下にわれを忘れし揺蕩は酒精よりもなほ強く汝が立琴も歌ひえぬ 愛執の苦き赤痣を醸すなり アルチュル・ラン....
泡盛物語」より 著者:佐藤垢石
う―― 思いきって、泡盛屋の腰高障子をあけた。三杯ばかり、立てつづけに呷った。酒精の熱気が五臓六脇へ泌みわたる。咽が快く鳴って、食道を烈液が流れさる爽美の感は....
酒渇記」より 著者:佐藤垢石
竹林の七賢の筆頭|劉伶は、かつて酒渇を病んだことがある。酒渇というのは、いまの酒精中毒のことであろう。それでも、女房の顔さえ見れば『酒を出せ、酒を出せ』とせが....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
味噌漬で茶漬を食う時分だ。まくりや、米の粉は心得たろうが、しらしら明でも夜中でも酒精で牛乳を暖めて、嬰児の口へ護謨の管で含ませようという世の中じゃあなかった。何....
贋物」より 著者:葛西善蔵
なことも解らなかったし、せめてはその亡霊にでも縋ろうと思ったのだ。友だちはそれは酒精中毒からの幻覚というものだったと言ったが、僕にはその幻覚でよかったんさ。で僕....
国境」より 著者:黒島伝治
まったころを見はからって、その自然を利用した。 かつては、この地点から、多くの酒精が、持ちこまれてきた。ウオッカの製造が禁じられていた、時代である。支那人は、....