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酒肴
「酒肴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
酒肴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
といけませんから」
そういいながら葉子は手あぶりに火をついで持って来た。そして
酒肴《しゅこう》もそこにととのえた。
「色が悪いはず……今夜はまたすっかり向かっ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て来ると、店では待ち受けていてすぐに二階座敷へ通された。前から頼んであったので、
酒肴の膳も運び出された。 「なあ、松。ここの家《うち》できいても判るめえが、小伊....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のお客の口には合うまいがと云い訳をしながら、彼は女房や女中たちに指図して、すぐに
酒肴を運び出させた。 「竜濤寺の一件は大抵知っていなさるだろうね」と、甚右衛門は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
えた。「唯今も申す通り、本人は決してそんな覚えはないと申しております」 女中が
酒肴を運び出して来たので、話はひと先ず途切れた。式《かた》のごとくに猪口《ちょこ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、無理に二階へひきあげて、もう時分どきであるというので、孫十郎は近所の料理屋から
酒肴を取り寄せてすすめた。そうして、かの仮面の一条をうちあけると、客はなかなか承....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
方がねえ」と、半七は先に立って二階へあがった。 座敷は狭い四畳半である。註文の
酒肴が来るあいだに、亀吉は小声で話し出した。 「あれから吉祥寺裏へ行くと、親方は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
石の船で、その船頭は清次という若い者であった。乗合いは男五人と女ひとりで、船には
酒肴をたくさん積み込んで、潮干狩は名ばかりで、大抵は船のなかで飲み暮らしていたが....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
宗匠も乗込んで来た。 「惜しい事をしましたね。こうと寸法が初めから極っていたら、
酒肴は船の中で開くんでしたね。美しい姐さんに船を漕いで貰う、お酌もして貰う、両天....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
宿は今宵が当分の御泊納め。どうか御ゆるりと」 庄屋達が既に主人役に廻り、吟味の
酒肴を美しい飯盛女に運ばせて、歓待至らざる無しであった。 「や、拙者は酒は好まぬ....
「瘤」より 著者:犬田卯
まればいい方だと聞いているにも拘らず、その日ばかりは「顔合せ」の意味もあるのか(
酒肴がつきもの)ぽつぽつとみんながやって来る。会場は役場の二階であるが、大方――....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
修業し、写生旅行に、この風光明媚の沼岸へやって来たというのであった。 M教師は
酒肴を出しつつ、 「はア、そうですか、この村には小川芋銭先生がおられますが、ご存....
「軽女」より 著者:上村松園
りしてしまったのである。 二文字屋が、せめてもの名残りにと、ととのいもてなした
酒肴を前にして、内蔵助もさすがにもののふの感慨に胸をあつくしたことであろう。 ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
指先白く、高麗結びを……仕方で見せて、 「ちょいと、こういう風でね。」 かくて
酒肴の用足しから帰って来た女房は、その手巾を片襷に、愛吉が背後へ廻って、互交に睦....
「迷信解」より 著者:井上円了
り。その楼を守るために、一、二人の老僕つねにこれに住せり。ある日、紳士五、六人、
酒肴を携えきたり楼を借りて終日歓を尽くし、夜に入りて帰るに臨み、僕に告げて曰く、....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
上に加え、あるいは蓋を火に暖めなどするは、みな予期意向を導くものに過ぎず。別して
酒肴、供物をそなえ、音曲、踏舞をなし、崇敬者一人その傍らに立ちて崇敬の状を呈し、....