酔客[語句情報] »
酔客
「酔客〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
酔客の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女類」より 著者:太宰治
酔《でいすい》に近く、あたりかまわず大声を張りあげて喚《わめ》き散らすので、他の
酔客たちも興が覚めた顔つきで、頬杖《ほおづえ》なんかつきながら、ぼんやり笠井氏の....
「古典風」より 著者:太宰治
|手飼《てがい》の数匹の老猿をけしかけられ、饗筵《きょうえん》につらなれる好色の
酔客たちを狂喜させた。新郎の名は、ブラゼンバート。もともと、戦慄《せんりつ》に依....
「メリイクリスマス」より 著者:太宰治
一つ面白くも、可笑《おか》しくもない冗談がいつまでも、ペラペラと続き、私は日本の
酔客のユウモア感覚の欠如に、いまさらながらうんざりして、どんなにその紳士と主人が....
「人間失格」より 著者:太宰治
で修得しかけていたのです。どこにいても、おそろしく、かえって大カフエでたくさんの
酔客または女給、ボーイたちにもまれ、まぎれ込む事が出来たら、自分のこの絶えず追わ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ていた。なお本庁きっての剛力刑事が、あっちの壁ぎわ、こっちの柱の陰などに、給仕や
酔客や掃除人に変装して、蟻も洩らさぬ警戒をつづけていた。かれ等一行の待ちかまえて....
「愛と美について」より 著者:太宰治
ほどのお方が、えへへへと、それは下品な笑い声を発して、ぐっと頸を伸ばしてあたりの
酔客を見廻しましたが、
酔客たちは、格別相手になっては呉れませぬ。それでも博士は、....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
掛を引抱いて、せめてそれにでも暖りたそうな車夫は、値が極ってこれから乗ろうとする
酔客が、ちょっと一服で、提灯の灯で吸うのを待つ間、氷のごとく堅くなって、催促がま....
「潮風」より 著者:豊島与志雄
子はちょっと見直された。眼の奥の黒い影が、へんに深々と光ってるようだった。快活に
酔客の相手をして、高い笑い声を立て、さしつけられる杯を、ふだんは手にもふれなかっ....
「ジャングル頭」より 著者:豊島与志雄
ジャングル頭 豊島与志雄 夜の東京の、新宿駅付近や、上野不忍池付近は、一種のジャングル地帯だと言われる。
酔客、ヨタモノ、パンスケ、男娼、などなどの怪物が横行していて、常人は足をふみ入れ....
「変る」より 著者:豊島与志雄
べようとしない。足をふみ鳴らして立上らせようとしても、きょとんとしている。そして
酔客から酒をぶっかけられると、ぶるっと身体をふって雫をきり、のっそりと外へ出て行....
「朝やけ」より 著者:豊島与志雄
もっとはっきり言えよ。」 「だから、耳を舐められただけ。」 或る夜のこと、他の
酔客も立ち去って、中野一人となった。冗談口を利いてるうちに、中野はいつしか黙りこ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
なた、後向きでもお客様の鼻くそをほじる音まで聞き分けるてえ驚きいつた天才でさア」
酔客のケンケンガクガクずらりと並んだあちら側を、首だけだしたオバサンがお盆を目の....
「選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
半畳がとんで大賑い。一番うるさく半畳をとばすのが、オモチャのチョンマゲをかぶった
酔客である。ところが、これを、よく見ると、先夜寒告が三高を訪れたとき、取次にでて....
「死と影」より 著者:坂口安吾
のくせ一時に大量は無理のようで、衰弱しきっていたのである。 三平はバーを廻って
酔客の似顔絵をかく。ノミシロを稼ぐと、さッさと、やめる。必要のノミシロ以上は決し....
「馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
実社会と密接せんことを望みつつ著述に従事したところの式亭三馬の、その写実的の筆に
酔客の馬鹿げた一痴態として上って居るのを見ても分ることで、そしてまた今日といえど....