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「酔態〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

酔態の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
だけは、静に片隅に蹲《うずくま》って、十六人の女たちの、人目を憚《はばか》らない酔態に皮肉な流し目を送っていた。 二十七 夜《よ》は次第に更《ふ》けて行っ....
人間失格」より 著者:太宰治
今夜は、女に飢え渇いているんだ。女給にキスしてもいいか」 自分は、堀木がそんな酔態を演じる事を、あまり好んでいないのでした。堀木も、それを知っているので、自分....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
くつ》を危うく踏んで、だらしなく腕に巻きつけた長い袖を、童子の肩に凭《もた》した酔態は、この家の淋《さび》しさに似ず、春王《はるおう》の四月に叶《かな》う楽天家....
田舎教師」より 著者:田山花袋
、長い廊下を本堂へとやって来る。庫裡からはかみさんと小僧とが顔を出して笑ってその酔態を見ている。三人は廊下から本堂にはいろうとしたが、階段のところでつまずいて、....
軍用鼠」より 著者:海野十三
日酔というのだろうと独断した。だから白国官吏のワイトマンは迷惑にも作者の友人Aの酔態を真似しなければならなかった) 「旦那、そういわないで見ておくんなさい。儂は....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
貪婪《どんらん》の眼でありました。単に酔っているだけの眼つきではありません。この酔態を見た時に、神尾主膳の人柄を疑いはじめたお銀様は、その眼を見た時になんとも言....
」より 著者:豊島与志雄
点ではなくて、花柳界の頽廃した雰囲気のなかで、毒をでもあおるように酒を飲む彼女の酔態かも知れない。なぜなら、真面目な時の彼女には僕は少しも心惹かれなかった。病気....
乾杯」より 著者:豊島与志雄
じました。そして玄関から引返すと、ベランダの椅子に腰を据え、柿酒の瓶を引きつけ、酔態を意識的に装って、もう誰の見送りにも立とうとしませんでした。 後れて辞し去....
母の上京」より 著者:坂口安吾
力ぐらゐは有るのである。今もつて二十四五貫の肥大漢で、酒を飲みだすときりがない。酔態穏良であるけれども、近頃の安細工では椅子をつぶしてしまふので、アラ、来たの、....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
く、私がこのマーケットへ飲みに行っていたころも、入口出口の要所の店には、帰り客の酔態を監視している何人づれかのアンチャンが必ずタムロしていたものである。 この....
裏切り」より 著者:坂口安吾
のは遠出の証拠と見られたのです。 日野は毎晩現れて、八千代サンの日ごとの変化と酔態をつぶさに見学していました。彼は彼女にお酒をおごったことがなかったので、その....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
るということが分った。きょうは既に一杯引っ掛けて来たらしく、手附や話振にどこやら酔態があるようにも疑われる。そのうちに浴客がたて込んできたので、鶴見はそこそこに....
南国太平記」より 著者:直木三十五
ふやけくさって、間男が、何んだい――手前勝手な」 浪人達は、初めて見た富士春の酔態に、持て余しながら 「師匠、先に寝たら、何うじゃ」 「人のことを、かまう柄か....
酒渇記」より 著者:佐藤垢石
酒を、正味三合ぺろりと酌んでしまったのには我れながら驚く。しかも、飲み抜けていま酔態を演じているとも考えぬ。 ――俺は、酒の天才かな―― ひそかに、こんなこ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
薄い眉毛の幽かなむずがゆさが染みついた。 私はまた差し覗いた。何という無雑作な酔態だろう、この眠りざまであろう。 私は、ふらふらと、その足元に匍い上った。そ....