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「醒む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

醒むの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
に食わず、また酔人を食わず、必ず坐して守り以てその醒《さ》むるを俟《ま》つ、その醒むるを俟つにあらず、その懼るるを俟つなり〉とある、自分を懼れぬ者を食わぬのだ。....
白くれない」より 著者:夢野久作
も手に附かず、夕餉の支度するも倦く、方丈の中央に仰向きに寝ね伸びて、眠るともなく醒むるとも無くて在りしが、扨、夜に入りて雨の音しめやかに、谷川の水音|弥増るを聞....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
む。 わが魂もまた迸る泉なり。 夜は来たれり、今愛するもののすべての歌は始めて目醒む。 わが魂もまた愛するものの歌なり。 と歌っているように偉大なる者、完成せ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ころから見て、小人と名附けたまでのことなのです。 そこで、「ただ長酔を願うて、醒むることを願わざれ」 といったような、かなりの寛容な態度で道庵先生を扱いながら....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
それを取り去らんとするも数限りなく、やがて悲歎の声を発するのを聴きて、みずから眼醒む。 「僕はフロイドじゃないがね。これは一種の、艶夢じゃないかと思うよ」 と....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
める。 われも又さながらにその壺に入る、 壺に入り、壺に収まり、壺となり、壺と目醒む。 火に媚びる蜥蜴と殻を脱ぐ人魚の歌と、 日々夜々に爆発する天体の烽火と、 ....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
わるる人もあろう。迷うも狂うも今のうちじゃで、せいぜい面白う世を送られい。悟るも醒むるも扨それから後のことでござるよ。」 「よく判りました。ようぞお教え下されま....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
楽器を鳴らす、その音、場に充つ)地獄へ送る送別の音が、いと高々に鳴り渡っても、眼醒むる人は一人も無い。(女子を見て)野を行く柩のかけでも、お前の今の心のように、....
銀座の朝」より 著者:岡本綺堂
どけなき若き娘が今朝の早起を誇顔に、露ふくめる朝顔の鉢二つ三つ軒下に持出でて眼の醒むるばかりに咲揃いたる紅白|瑠璃の花を現ともなく見入れるさま、画に描ばやと思う....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
が来ると見える。 ヒロン 違ない。 目を開けて御覧。 マントオ(醒む。) 好くおいでなさいました。闕かしはなさいませんね。 ヒロン お前....
三国志」より 著者:吉川英治
、乏しいものはない。 食えば飽満の美味、飲めば強烈な薫酒、酔えば耳に猥歌甘楽、醒むれば花鳥また嬋娟の美女、――玄徳はかくて過ぎてゆく月日をわすれた。――いや世....