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醒める
「醒める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
醒めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夢」より 著者:芥川竜之介
ゆうべ暖かったせいか、絨氈の上へのり出していた。が、それよりも気になったのは目の
醒める前に見た夢だった。わたしはこの部屋のまん中に立ち、片手に彼女を絞《し》め殺....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
顔のベールをはずした途端に、あっと声を立てて、今まで彼に感じていた敬虔な魅力から
醒めると、事実がすべての赤裸な醜さのうちに暴露された。その客はまだ本当に我にかえ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
身に染みて、ぶるぶると震えました。」 五 「そう讃められちゃお座が
醒める、酔も醒めそうで遣瀬がない。たかが大道芸人さ。」 と兄哥は照れた風で腕組....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
な、燦然たる、毒々しい華だった。そこへ、 「だ、だ、だーン、だーン」 と、眼の
醒めるような大きな音がして、船体が、ギシギシと鳴り響いた。 続いて、第二弾、第....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
非常に地味な着物であったが、膝頭のあたりから軽く自然に裾をさばいて、これは又眼も
醒めるばかり真紅の緋縮緬を文字通り蹴出したあたりに、白い蝋の様なふくら脛がチラリ....
「振動魔」より 著者:海野十三
になっている離座敷との外には、立ち入らぬ様にきめていた。しかし、たった一度、眼も
醒めるような紅模様のフカフカする寝室の並んだ夫妻のベッド・ルームを真昼のことだか....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
くことはできない。何か怖ろしいことが、現に発生している」 「君は、僕の嗅いだ目の
醒めるような匂いのことも忘れちゃいないだろうネ」 「うん、あれは僕の想像に、裏書....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
ことです」と言った。 そこへ杉村の部下が慌ただしく入って来た。彼は川口の麻酔の
醒めるのを待ち、訊問する積りで、部下を築地の病院へ詰めきらせておいたのだった。 ....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
ン深谷邸が見えはじめた。 藍碧の海をへだてて長く突出した緑色の岬の端には、眼の
醒めるような一群の白堊館が、折からの日差しに明々と映えあがる。向って左の方に、ひ....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
出して合鍵を求めると、素早くスーツ・ケースの蓋を開けた。 見ると、中には、目の
醒める様な水色のビーチ・コートにパンツと、臙脂色の可愛い海水靴と、それから、コロ....
「唇草」より 著者:岡本かの子
の両手の指先きが、つやつやした豆莢の厚い皮をぺちゃんと圧し潰し、小さい鼻から目の
醒めるような青い匂いを吸い込みながら、莢の裂け目へ右の指先を突き入れると、彼女の....
「春」より 著者:岡本かの子
へ行くんですの。 ――違います。ここは病室側の廊下です。 広い円形の庭は、眼も
醒める程、眩しく明るい。狂暴性でない監禁不用患者の散歩場だ。広い芝生に草木が単純....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
。わたくしは再び悲鳴をあげました。 「浅井さん。助けてください。」 これで夢が
醒めると、わたくしの枕はぬれる程に冷汗をかいていました。やはり例のうなぎの一件が....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
足で、十分に手足を伸して楽々と眠に就いたのが夜の十一時頃、それから一寝入して眼が
醒めると、何だか頭が重いような、呼吸苦しいような、何とも云われぬ切ない心持がする....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
て、綿の硬いごつごつした衾《よぎ》にくるまって寝るよりほかに仕事はなかった。眼が
醒めると酒を注文した。酔うと又すぐに寝てしまった。 こんなことをして冬の蛇のよ....