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「醜い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

醜いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
な紺の水干《すいかん》に揉烏帽子《もみえぼし》をかけた、二十《はたち》ばかりの、醜い、片目の侍が、平骨《ひらぼね》の扇を上げて、通りかかりの老婆を呼びとめた。―....
河童」より 著者:芥川竜之介
にいる河童です。)一度もつかまったことはありません。これは一つにはマッグぐらい、醜い河童も少ないためでしょう。しかしまた一つにはマッグだけはあまり往来へ顔を出さ....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
なく涙があふれて来た。その涙に濡れた眼でふり返った時、彼の今までの生活が、いかに醜いものに満ちていたか、それは今更云う必要はない。彼は誰にでも謝《あやま》りたか....
松江印象記」より 著者:芥川竜之介
その都市の人々は必ずその川の流れに第三流の櫛形《くしがた》鉄橋を架けてしかもその醜い鉄橋を彼らの得意なものの一つに数えていたからである。自分はこの間《かん》にあ....
」より 著者:芥川竜之介
た腹、黒い南京玉《ナンキンだま》を想わせる眼、それから癩《らい》を病んだような、醜い節々《ふしぶし》の硬《かた》まった脚、――蜘蛛はほとんど「悪」それ自身のよう....
路上」より 著者:芥川竜之介
ネクタイも、これまた詩よりも女中に手をつけるのが、本職でね。」 俊助はこんな醜い内幕《うちまく》に興味を持つべく、余りに所謂《いわゆる》ニル・アドミラリな人....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
れは黒と白と市松模様《いちまつもよう》の倭衣《しずり》を着た、容貌《ようぼう》の醜い一人の若者が、太い白檀木《しらまゆみ》の弓を握って、時々切って放す利《とが》....
或る女」より 著者:有島武郎
心は早熟の恋を追うものだと断定した。そして恋というものを生来知らぬげな四十五六の醜い容貌《ようぼう》の舎監は、葉子を監禁同様にして置いて、暇さえあればその帯の持....
或る女」より 著者:有島武郎
は離れてはいられない人間だと確かに信じていた。そしてわたしの持ってるすべてを……醜いもののすべてをも倉地に与えて悲しいとも思わなかったのだ。わたしは自分の命を倉....
三つの宝」より 著者:芥川竜之介
と噴水との世界から、一しょにその世界へ出て行きましょう。もっと広い世界! もっと醜い、もっと美しい、――もっと大きい御伽噺の世界! その世界に我々を待っているも....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
はお前の寄木細工を造り始めるのだ。そしてお前は一面に、悪魔でさえが眼を塞ぐような醜い賤しい思いをいだきながら、人の眼につく所では、しらじらしくも自分でさえ恥かし....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
くはございませぬ。こちらの世界へ引移ってからの私どもの第一の修行は、成るべく早く醜い地上の執着から離れ、成るべく速かに役にも立たぬ現世の記憶から遠ざかることでご....
歯車」より 著者:芥川竜之介
かった。彼女は遠目には美しかった。けれども目の前へ来たのを見ると、小皺のある上に醜い顔をしていた。のみならず妊娠しているらしかった。僕は思わず顔をそむけ、広い横....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
まで溯ってしまったのだ。私は突然自分の残生のほうを見ようとして振返ってみた。私は醜い、淋しい老年と、間近に迫っている老衰とを見た。そして、すべてはそれで終りなの....
狂人日記」より 著者:秋田滋
には耕すことしか知らぬ愚昧な農夫と、スープをつくることと子供を生むことしか知らぬ醜い女とがいる。印度に行ってみよ。支那へも行ってみよ。無数の生きものが、そこに生....