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「醜婦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

醜婦の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
を頼んだ媒妁《ばいしゃく》結婚である。常子は美人と言うほどではない。もっともまた醜婦《しゅうふ》と言うほどでもない。ただまるまる肥《ふと》った頬《ほお》にいつも....
外科室」より 著者:泉鏡花
あないか。罰のあたらないのが不思議さね。もうもう今日という今日は発心切った。あの醜婦《すべった》どもどうするものか。見なさい、アレアレちらほらとこうそこいらに、....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
とく》と夏子の顔を見ましたが、如何にも美人で、作り直す事が勿体ない、見る影もない醜婦にする事は容易ですが、それでは造化の美術を傷つける様な者で天に対して恐れが多....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
が妬まないと見えて無事であった。そこで、この河を渡るとき、風波の難に逢わない者は醜婦であるということになるので、いかなる醜婦もわざと衣服や化粧を壊して渡るのもお....
厳島合戦」より 著者:菊池寛
春二十三歳、三子隆景二十二歳。吉川元春は、時人梅雪と称した。 熊谷伊豆守の娘が醜婦で、誰も結婚する人が無いと聞き、其の父の武勇にめでて、「其の娘の為めにさぞや....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
と美醜とは必ずしも一致しないようである。たとえばキャサリン・ヘプバーン型の美人と醜婦を一人ずつ捜し出すのなどははなはだ容易であろう。 食堂の女給の制服は腕を露....
破片」より 著者:寺田寅彦
うもない。 六 お出額で鼻が小さくて目じりが下がって、というのは醜婦の棚おろしのように聞こえる。しかし、これは現代美人の一つの型の描写の少なくも....
連城」より 著者:田中貢太郎
そこにさまようていてすぐは出なかった。そして三日も廂の中にいた連城は、 「諺にも醜婦総て須く姑障を見るべしということがあります。ここにそっとしているのは、将来の....
録音集」より 著者:豊島与志雄
そしてこの音声については、男性は別として、女性にあっては、美婦は多く悪声であり、醜婦は多く美声であって、顔の美と音声の美とはほぼ反比をなす。記録をとってみれば、....
猫と村正」より 著者:小酒井不木
女のヒステリーを一層重くならしめた原因だろうと思います。元来彼女は、一口にいえば醜婦といった方がよく、はじめ私は彼女との縁組に不服でしたが種々の深い事情があって....
鮎の食い方」より 著者:北大路魯山人
、せっかくの美味しさを台なしにしてしまうものだ。いわば絶世の美人を見るに忍びない醜婦にしてしまうことで、あまりに味気ない。 こういうわけで、家庭で鮎が焼けない....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
という婦人は、チベットではほとんど見ることが出来ん。 ごくのお婆さんとかごくの醜婦でなければ後家で居る者は稀である。もう少し売れ口のあるような女なれば必ず良人....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
宅を早く明渡すのをハバトフは待っているというとのこと、またその下女と名づけていた醜婦は、この間から、別室の内の或る処に移転した。町には、病院の新院長に就いての種....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
」 「馬鹿野郎、別嬪が何もわざわざ狒々の皮を被るかよ」 「女にしたところでどうせ醜婦さ。見やがれ。二度びっくりだ」 こんな会話に気を取られているうちに、いつか....