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「醜悪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

醜悪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
松江印象記」より 著者:芥川竜之介
もない。これらの木橋《もくきょう》を有する松江に比して、朱塗りの神橋に隣るべく、醜悪なる鉄のつり橋を架けた日光町民の愚は、誠にわらうべきものがある。 橋梁に次....
るしへる」より 著者:芥川竜之介
その人答うらく、「悪魔はもとより、人間と異るものにあらず。われを描《えが》いて、醜悪絶類ならしむるものは画工のさかしらなり。わがともがらは、皆われの如く、翼なく....
富士」より 著者:岡本かの子
話は判っててよ」 女は、この類《たぐ》いで、この若き獣神が生きとし生けるものの醜悪の底の味いを愛惜し、嘗め潜って来たであろうことを察して、悪寒《おかん》のある....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
然主義者の顔と女郎屋《じょろうや》から出てくる芸術至上主義者の顔とその表れている醜悪《しゅうあく》の表情に何らかの高下があるだろうか。すこし例は違うが、小説「放....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
挑戦状の主は、とうとう皆の前に姿を現わしたのだった。怪賊痣蟹は二た目と見られない醜悪な面をわざと隠そうともせず、キッと武装警官隊の方を睨みつけた。 武装隊を指....
怪星ガン」より 著者:海野十三
ひげの糊がとけはじめたのである。ひげの下から現われた顔は、画にも文章にもかけない醜悪な顔だった。どんな悪魔もこれほどのすごい顔を持っていまい。 「おや、ひげがこ....
男女関係について」より 著者:大杉栄
のに襲われるのだ。そしてそのたびごとに、僕や君やまたは神近に対する、彼女の盲目と醜悪とを現すのだ。けれども、彼女のこの盲目と醜悪とが、彼女にとって、なぜ無理なの....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
心を聞かされないので、彼を一番愛していた友達の一人が断乎として言った。 「これは醜悪だよ、君。壊してしまわなければいかん。槌を貸したまえ。」 その友達は槌でふ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ように、火の玉の一つ一つから驚くべき物が爆発して、空中に充満した。それは血のない醜悪な幼虫のたぐいで、わたしには到底なんとも説明のしようがない。一滴の水を顕微鏡....
朝顔日記の深雪と淀君」より 著者:上村松園
ならないとも思いませぬが、すでに芸術であり美術である以上、作られた作品がただ単に醜悪不快の念を観る人に与えるばかりでは、芸術としての価値が減ずるようにさえ思われ....
人間否定か社会肯定か」より 著者:小川未明
間相互の関係によって醸成されつゝある詐欺、利欲的闘争、殆んど枚挙にいとまない程の醜悪なる事実を見るにつけ、これに堪えない思いを抱くのであるが、それがために、果し....
婦人の過去と将来の予期」より 著者:小川未明
、いまや、幻滅の悲哀を感じて、いまゝで美しかったもの愛したものに、限りない憎悪と醜悪とを感じたのである。加うるに、最も自己の欲望を満足することが、意義ある生活だ....
机前に空しく過ぐ」より 著者:小川未明
のだ。年とって、感情が涸渇し、たゞ利害のみに敏く、羞恥をすら感ぜぬようになって、醜悪の姿をいつまでも晒らすものでない。こう真に、考えたことも、やはり、当時であっ....
童話を書く時の心」より 著者:小川未明
の努力と憧憬とによってはじめて到達する理想の社会であります。またこの社会を矛盾と醜悪の現実の彼岸に幻に描くことによって、私達の生活は頽廃と絶望から救われ、意義あ....
童話の詩的価値」より 著者:小川未明
供程ロマンチシストはありません。誰でも一度は子供の時代があったのです。どんな心の醜悪な人間も、実利主義者も、また悪人も、ロマンチシストであったのです。 この子....