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醜貌
「醜貌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
醜貌の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恥」より 著者:太宰治
だ! 嘘つきだ! 貧乏でもないのに極貧の振りをしている。立派な顔をしている癖に、
醜貌だなんて言って同情を集めている。うんと勉強している癖に、無学だなんて言ってと....
「春の盗賊」より 著者:太宰治
話するどころか、私自身さえ行路病者だ。事態は、緊迫しています。もはや、かの肥満、
醜貌《しゅうぼう》の大バルザックになるより他は無い。ほんとうは、若いままで死にた....
「HUMAN LOST」より 著者:太宰治
ざいしょ》や、さだ九郎。 笑われて、笑われて、つよくなる。 十一日。 無才、
醜貌《しゅうぼう》の確然たる自覚こそ、むっと図太い男を創る。たまもの也。(家兄ひ....
「南島譚」より 著者:中島敦
髪の毛が余り縮れてもおらず、鼻の頭がすっかり潰《つぶ》れてもおらぬので、此の男の
醜貌《しゅうぼう》は衆人の顰笑《ひんしょう》の的《まと》となっていた。おまけに脣....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ている眼であった。待ち設けている眼であった。……その眼が俺を見詰めていた! ……
醜貌と武道とで名の高い、北条内記の妻女の眼! ……瞬間に俺は退治られた。……間も....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
世の美男子だったら、ひとの容貌なんかには、むしろ無関心なものだろうと思う。ひとの
醜貌に対しても、頗る寛大なものだろうと思う。ところが僕のように、自分の顔が甚だ気....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
であったからである。玄碩の遺した女鉄は重い痘瘡を患えて、瘢痕満面、人の見るを厭う
醜貌であった。 抽斎は中丸の言に動されて、美貌の子優善を鉄に与えた。五百は情と....
「夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
作ってしまった今、自分ですら進んで鏡を見たくないほどの、いや、黒吉は以前からこの
醜貌を、ありの儘に写し出す鏡というものに、烈しい嫌悪を持っていたのであるが――そ....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
それから江戸へ帰るとしよう。だが待てよ」と小一郎は、吉次の顔をつくづくと見た。「
醜貌ながらも智恵ありげだ。それもどうやら邪智らしい。こいつの言葉をそのままに、は....
「答案落第」より 著者:太宰治
苦しみを与えられた。私は、めきめき太った。愛嬌もそっけもない、ただずんぐり大きい
醜貌の三十男にすぎなくなった。この男を神は、世の嘲笑と指弾と軽蔑と警戒と非難と蹂....
「俗臭」より 著者:織田作之助
書の為に幾分損をしているところもある。が、このたびのパアマネントウェーブは彼女の
醜貌を決定的にしてしまったと周囲の人々は口喧しく騒いだ。 「娘ももう年頃になった....