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醸
「醸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
醸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
将の子は毒蛇《どくじゃ》も同じことである。今のうちに殺さなければ、どう云う大害を
醸《かも》すかも知れない。こう考えた金将軍は三十年前の清正《きよまさ》のように、....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
る安穏《あんのん》に暮らしていた。そのまた鬼の妻や娘も機《はた》を織ったり、酒を
醸《かも》したり、蘭《らん》の花束を拵《こしら》えたり、我々人間の妻や娘と少しも....
「片信」より 著者:有島武郎
と習慣とが馴致《じゅんち》したもので、両階級の間には、生活様式の上にも、それから
醸《かも》される思想の上にも、容易に融通しがたい懸隔のあることを感じ、現在におい....
「想片」より 著者:有島武郎
しさをもって望見している)を根柢的に打ち崩《くず》したものは実にブルジョア文化を
醸成《じょうせい》した資本主義の経済生活だと断言している。そしてかかる経済生活を....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
、それが近代の人間の一つの特質である事を知り、自分もそれらの人々と共に近代文明に
醸《かも》されたところの不健康(には違いない)な状態にあるものだと認めたとする。....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
しく述べるまでもない。我々日本の青年はいまだかつてかの強権に対して何らの確執をも
醸《かも》したことがないのである。したがって国家が我々にとって怨敵となるべき機会....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
を傾けなかった理由が如何に明白であるよ。肉にまで押し進んでも更に悔いと憎しみとを
醸さない恋こそは真の恋である。その恋の姿は比べるものなく美しい。私は又本能的生活....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
。カルノーとコールディングは工学者、マイヤーとヘルムホルツは医者、ジュールは麦酒
醸造業者であった。それでこの発見に導いた根拠をよくよく調べてみると、それは主に哲....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
うまでは勇気ありしが、この暇乞の語を出し終りたる後は胸一杯、言うべからざる暗愁を
醸し生じたり。自ら呼吸を強くし力足を踏み、町はずれまで送りし人々の影を見かえり勝....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
の用意に着手したるものもあり。 また百姓の輩は地租改正のために竹槍席旗の暴動を
醸したるその余炎未だ収まらず、況んや現に政府の顕官中にも竊に不平士族と気脈を通じ....
「虹と感興」より 著者:上村松園
、その爽やかさと、婦人の美しさが、互いに溶け合って、そこに一種の清い柔かい何かが
醸し出されるなら、仕合せだと考えます。 虹は、七色から成立っておると申しますが....
「中支遊記」より 著者:上村松園
に考えられる洋化とも違う。そこにはやはり昔からの支那風にこなされ渾然としたものを
醸し出しているのであろう。楚々とした感じは一点の難もないまでによく調和したものに....
「妖怪学」より 著者:井上円了
ども、その後には休息す。もし、絶え間なく食物を輸送することあらば、その部に疾病を
醸すに至らん。かく言わば、人あるいは疑わん。心と肺とは昼夜、終年、その作用をとど....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
伝来し、加うるに当時ギリシアの古文学再興せるをもって、新旧相合して文明の新元素を
醸成するに至れり。これ、すなわち今日の文明の起源なり。そのいわゆるインド、アラビ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
打ち込み、十余人の貴女、紳士、朝餐最中に頭上より海水を浴びせられ、食堂の一騒動を
醸せるも、長旅の一興なり。終日斜風細雨、波高く船動き、ことに日曜なれば遊技を弄す....