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里人
「里人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
里人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星あかり」より 著者:泉鏡花
屋の中に、何家も何家も人の気勢がせぬ。 その寂寞を破る、跫音が高いので、夜更に
里人の懐疑を受けはしないかという懸念から、誰も咎めはせぬのに、抜足、差足、音は立....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
て。――神か、あらずや、人か、巫女か。 「――その話の人たちを見ようと思う、翁、
里人の深切に、すきな柳を欄干さきへ植えてたもったは嬉しいが、町の桂井館は葉のしげ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
、同時に、そこに言合せたごとく、人影が顕われて、門に立ち、籬に立つ。 村人よ、
里人よ。その姿の、轍の陰にかくれるのが、なごり惜いほど、道は次第に寂しい。 宿....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
ったカテリイヌが此頃巴里の何処かに居ると噂に聞き、そのカテリイヌを、夏に居残る巴
里人の殆ど全部が街へ出て騒ぐ巴里祭の混雑のなかで見付けようとする、彼の夢のような....
「死者の書」より 著者:折口信夫
桜が、谷から峰かけて、断続しながら咲いているのも見える。麦原は、驚くばかり伸び、
里人の野|為事に出た姿が、終日、そのあたりに動いている。 都から来た人たちの中、....
「巴里の秋」より 著者:岡本かの子
十五、六の男の自然に枯れた声も秋風のなかにふさわしい。男は小金を貯めた。多くの巴
里人のならわし通りこの男も老後を七、八十|里巴里から離れた田舎へ恰好な家を見付け....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ぬか、同地の神明社内には現に小桜神社(通称若宮様)という小社が遺って居り、今尚お
里人の尊崇の標的になって居ります。 次に当然問題になるのは小櫻姫とT女との関係....
「山の湯雑記」より 著者:折口信夫
釜と言って、三山の湯殿山を思わせる様な恰好で、温泉が岩伝いに落ちて居る。此湯は、
里人が神聖がって居たのだけれど、やはり白部の村人が、これを引いて湯宿を開いている....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
。幻影が無惨にも破れたのであった。 二 その間に川向うには三面の
里人が、異様な風俗で多数現われた。不意に異人種が襲来して来たように、敵意を含んで....
「謡曲と画題」より 著者:上村松園
「あら不思議や何やらんあなたにあって物音のきこえ候。あれは何にて候ぞ」 「あれは
里人の砧擣つ音にて候」 「げにや我が身の憂きままに、古事の思ひ出でられて候ぞや。....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
る。…… 福浦のあたりは、浜ひろがりに、石山の下を綺麗な水が流れて、女まじりに
里人が能登縮をさらしていて、その間々の竈からは、塩を焼く煙が靡く。小松原には、昼....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
盆の頃になると行脚をして来て、村里を流しながら唄ったので、ふしといい、唄といい、
里人は皆涙をそそられた。娘たちは、袖を絞ったために今もなお、よくその説句を覚えて....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
は無数である。 鎮守の鷲尾神社にゆく、二百階も石段を登ると本社がある。甲州一と
里人の自慢している大杉が幾株か天を突いて、鳥一つ啼かぬ神々しき幽邃の境地である。....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
もある。これは恐く彼等の女性であろう。 兎に角に彼等は一種の魔物として、附近の
里人から恐れられている。山深く迷い入った猟夫が、暗い岩蔭に嘯いて立つ奇怪の※を視....
「古事記」より 著者:太安万侶
參ります。その歌は、 宮人の足に附けた小鈴が 落ちてしまつたと騷いでおります。
里人《さとびと》もそんなに騷がないでください。 この歌は宮人曲《みやびとぶり....